ゾゾ前澤氏「電撃退任」を決めた3つのつまずき 「カリスマ」なき後のゾゾはどこへ向かうのか

東洋経済オンライン / 2019年9月14日 7時30分

ゾゾタウン創生期から出店するユナイテッドアローズは、「社長を含め、社内は朝の報道で初めて知った。詳しい情報がわからず、自社の事業に影響が出るかどうかもわからない」(広報担当者)と困惑した様子だった。

「アース ミュージック&エコロジー」などを展開するストライプインターナショナルの石川康晴社長は、「前澤さんからはいろんな事前情報が送られてくるが、今回だけは来なかった。アジアの中で存在感を示そうとするなら、ヤフーやソフトバンクと組むことはZOZOの1つの(成長への)道だろう」と話す。

2004年の運営開始以降、高感度な若者を中心に顧客を獲得し、年間購入者数800万人超を抱えるゾゾタウン。今年6月末時点での出店ブランド数は約7300に上る。ブランドからの出店手数料が主な収益源のZOZOは、前澤氏のカリスマ性とともに高成長・高収益企業へと成長した。しかし、2019年3月期は上場後初めて営業減益に陥るなど、その経営にほころびが目立つようにもなっていた。

今回、ヤフーの傘下入りすることで、集客ルートが広がる。ヤフーが筆頭株主になることで、ZOZOの経営安定性が増すことも期待できる。

さらに、今年中に予定しているゾゾタウンの中国進出を考えると、中国のアリババなどを傘下に持つソフトバンクグループのリソースを幅広く活用できる。

前澤氏の後任となる澤田宏太郎新社長はコンサル出身で、2008年にZOZOに入社。直近ではゾゾタウン事業の責任者を務めてきた。「この先の成長には、革新とともに安定感が重要。そのパートナーとしてヤフーがベストだと判断した」。会見の席上、澤田新社長はこのように述べ、今後は組織での運営を重視していく方針を明らかにした。

■「時価総額5兆円」目標が一転、社長退任へ

「今が経営体制を抜本的に変えるタイミング」だったと前澤氏は強調する。それにしても疑問なのは、なぜいま退任なのかだ。前澤氏は「月旅行の準備」と「新事業への挑戦」を挙げた。とはいえ、1年前の同氏の言動を振り返ると、今回の決断があまりにも唐突であることがわかる。

「前澤フルコミットで突き抜ける」

前澤氏は2018年4月に発表した中期経営計画で、当時およそ1兆円だったZOZOの時価総額を10年以内に5兆円に引き上げる「超強気」の目標をぶち上げていた。

そこから一転、今回の退任である。同日の会見で、わずか1年半で心変わりした理由について、「当時は本心からそう(経営にコミットすると)思っていたが、この市場は非常に動きも早く、それに合わせて経営も柔軟に変える必要がある」と、前澤氏は歯切れの悪い説明に終始した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング