不都合だらけ「強制転勤」はこうして撲滅できる どんどん声を上げていくしかない

東洋経済オンライン / 2019年9月18日 7時30分

日本企業特有の「メンバーシップ雇用」から起こる無制限な転勤、家族の両立困難をどう解決すればいいのか。中野円佳さん、青野慶久さん、志水静香さんに語ってもらった(撮影:今井康一)

日本企業特有の「メンバーシップ雇用」から起こる無制限な転勤、家族の両立困難。いったいどう解決すればいいのか。そもそも「男性育休」はなぜ”炎上”するのか。

ジャーナリストで『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』の著者である中野円佳さん、自身も育休を3回取得したサイボウズ社長の青野慶久さん、元ギャップジャパン人事責任者で現在はFunleash CEO兼代表取締役として企業の人事問題に数多く取り組む志水静香さんが、令和にふさわしいハッピーになれる働き方について3回にわたって語った。

■自ら「駐在妻」になって見えた転勤問題

――中野さんは旦那さんの転勤に家族全員が付いていき、シンガポールで「駐在員の妻」の立場になった経験があります。本書タイトルにもある「主婦がいないと回らない構造」について簡単に教えてください。

中野円佳(以下、中野):私は新聞社での勤務後、会社員や研究をしつつジャーナリストとして発信を続けていたところ、2年前に夫の転勤先であるシンガポールに家族で付いていくことになりました。そこで専業主婦の期間を私自身、初めて経験し、国内外含め、転勤であちこち移動されているご家族と触れ合う機会が増えました。このことが、専業主婦を前提とした仕組みの問題について書くきっかけになりました。

転勤問題や男性が育休を取りにくい現状は、日本社会が専業主婦にいろいろと任せてしまったことから発生しているものだと思います。日本の男性に多い長時間労働や終身雇用といった「無限定な働き方」は、家庭で女性が支えているから可能になっている。また子どもの教育に関しても、女性によって支えられる構図が前提となっています。

――実際に海外転勤を命じられたご家族で、どんな困り感が生じているか教えてもらえますか。

中野:労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、国内転勤で赴任1週間前、海外でも赴任1カ月前の辞令がザラにありました。転勤辞令が下るのは、本当に直前だということです。

海外赴任ですと、単身赴任、家族帯同、家族が半年ほど遅れて行くなどのパターンがありますが、いずれも夫婦共働きですと家族に大きなコンフリクトが生じます。では単身赴任でいいじゃないかという意見もあると思いますが、例えば妻と子が日本に残った場合、完全に育児をワンオペで回さなければならない。それまで夫が朝は保育園に連れていき、妻が保育園からピックアップするなど何とか2人でやり繰りしていたのが、急に行き詰ってしまう。

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