インフルエンザが9月なのに流行し始めた理由 グローバル化やスポーツイベント開催に注意

東洋経済オンライン / 2019年9月25日 18時0分

冬場に流行するはずが……(写真:recep-bg/iStock)

インフルエンザと聞けば冬場の病気というイメージがあるだろう。ところが、今まさに流行が始まっている。国立感染症研究所の9月17日の発表によると、9月2~8日の間のインフルエンザ感染者数は、定点医療機関あたり0.77人で、前週から倍増した。大流行した2009年に次ぐ勢いとなっている。

流行のきっかけは2学期が始まったことだろう。9月2日には東京都東村山市の中学校がインフルエンザで学級閉鎖となった。

それにしても、夏場にインフルエンザが流行するとは奇妙だ。インフルエンザは冬場の乾燥した時期に流行すると考えられてきた。近年、状況は変わりつつあるようだ。なぜだろう。

■東南アジアなどの熱帯・亜熱帯では夏にも流行

実は、インフルエンザの流行が冬場に多いのは日本など温帯地域の特徴だ。東南アジアなどの熱帯・亜熱帯では、冬だけでなく、夏にも流行する。

インフルエンザは、湿潤で暑い季節にも流行しうる。2009年の新型インフルエンザの流行は夏場に起こったし、今年8月には沖縄県でインフルエンザ注意報が発令されている。まれではあるが、わが国でも夏場にインフルエンザが流行することがある。

なぜ、近年は夏場の流行が目立つのだろう。このことを説明する前に、世界でのインフルエンザの流行のメカニズムをご紹介したい。

実はインフルエンザの流行は、世界中を「循環」している。日本の冬場に北半球、夏場に南半球で流行する。つまり、1年をかけて、北半球から南半球を「往復」する。この結果、その途上にある熱帯や亜熱帯は半年に1度のペースで年に2回流行する。

近年、この状況に変化が生じている。原因はグローバル化の加速だ。とくに注目すべきは、夏休み期間の7~8月には多くの日本人が海外に出かけ、海外からも旅行客が押し寄せることだ。彼らがインフルエンザを海外から日本に持ち込むのだ。

■南半球との交流が拡大

ポイントは南半球との交流が拡大していることだ。この時期、南半球はインフルエンザ流行の真っ最中だ。

日本政府観光局によれば、今年の7~8月にオーストラリアから6万1900人が入国している。対前年比7.4%の増加だ。

日本人もオーストラリアに出かける。JTB総合研究所が各国政府の発表統計より作成したデータによれば、今年7月に、オーストラリアを訪問した日本人は2万8000人だ。8月分は未発表だが、合計すると5万人は越えるだろう。

日本とシドニー間の航空機での所要時間は10時間程度だ。インフルエンザ感染の潜伏期は1~3日間程度だから、オーストラリアで感染した人が発症する前に入国あるいは帰国してもおかしくない。

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