ジミー・ライ氏が語る「香港騒乱」のゆくえ 普選なしでは香港は永遠に中国に鎮圧される

東洋経済オンライン / 2019年9月27日 8時10分

9月25日、鉄道運行会社に対し、政府を助けたとして抗議した女性を拘束する警察官(写真:ロイター/アフロ)

「逃亡犯条例」改定に端を発した香港騒乱が混乱の度を深めている。

毎週末「勇武派」と呼ばれる一部の過激分子が市内数カ所で破壊行動を繰り返し、一般市民の生活、香港経済にも大きな影を落としている。

9月25日には、デモを取材中の『蘋果日報(アップルデイリー)』の女性記者が、見知らぬ4人組の男に襲撃された事件も発生した。蘋果日報は中国政府に批判的な黎智英(ジミー・ライ)氏が所有している。

ライ氏は1994年には天安門事件当時の首相、李鵬に対して「馬鹿な李鵬への公開質問状」を、自身が創刊した『壹週間』に寄稿した。以来、香港における反中国共産党の旗手となり、民主化要求運動の一線に立ち続けている。

ライ氏は今回の騒乱でも、中国から「香港に禍をもたらした4人組」の1人として名指しで非難されている。香港で唯一中国に物申すメディアとなった『壹傳媒(Next Digital)』グループの創業者であるライ氏に、香港騒乱の行方について尋ねた。

■デモで香港市民全体が変わった

――デモを振り返って、どう受け止めていますか。

天安門事件追悼行事は今年30周年を迎え、今年の参加者は例年よりも多い18万人に達した。その直後に逃亡犯条例改正問題が浮上。当初、一般市民はこの条例がどのような影響をもたらすのか、よく理解していなかった。

最初の抗議活動は1万3000人程度しか参加者を集めることができなかった。しかし、この条例がわれわれの法治や人権、自由を取り上げるものであることが理解されると、2回目のデモは16万人、6月9日には100万人を超える市民が参加した。しかし、キャリー・ラム(林鄭月娥・香港特別行政区行政長官)は強引な手法で条例の成立を図ったため、香港人の怒りに火を付けたのだ。

おまけにキャリー・ラムは100万人デモの直後、平和的な抗議活動を「暴乱」、デモ参加者を「暴徒」と定義した。暴乱で逮捕されると、刑期は10年になる。だから、香港人はさらに激怒し、200万人がデモに参加した。

われわれ(の世代)はこれまで、「和理非」の精神で活動をしてきた。つまり、「和平」(平和)、「理智」(理性的)、「非暴力」(非暴力的)だ。今回、82%の香港市民は(このデモに参加した人々に)同情していることがすぐにわかった。香港全体が彼らの活動で変わったのだ。

和理非世代は30年闘っても何の成果も得られなかった。それどころか、香港の自由は益々失われていった。だから、若者が対抗という手法で抗争を続けることを認めたのだ。

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