ネットを信じ込む妊産婦と医師の情報差の実態 不明確な情報が氾濫する中で必要なこととは

東洋経済オンライン / 2019年10月2日 7時50分

インターネットの情報を参考にするときは、医療機関や厚生労働省、学会などのホームページから情報を集めるといいでしょう。数多あるメディアの記事に関しても医師の監修があるか、出典は明記されているかなどを意識的に確かめましょう。妊産婦や生まれてくる子どものためにも冒頭に書いたような根拠のない噂やSNSの情報に決して流されてはいけません。

■正しい情報を発信

日本産科婦人科学会としても、届けたい情報が満足に伝えられない状況にあったため、私たちも正しい情報の普及に着手。2015年9月より日本産科婦人科学会監修の冊子『Babyプラス お医者さんがつくった妊娠・出産の本』の配布を開始しました。

その後、2018年4月にもっと手軽に情報を手に入れられるようにと、アプリ「Babyプラス」の本格配信をスタートしました。掲載情報は、執筆もしくは監修した産婦人科医の顔写真と署名が付いています。そのほか、妊娠週数別にそのときのからだの状態などを伝える情報も得られます。アプリは平均して1日に5回見られていて、朝起きたらまずアプリを開く、といった妊産婦の声もあります。

最後に、妊産婦と夫・パートナーの意識の差に関しても紹介しましょう。リクルートマーケティングパートナーズの調査によると、妊産婦が夫・パートナーにつけてほしい知識は「パートナーのスタンス・心得」「産後のこころへの影響」「妊娠中のこころへの影響」といった気持ちの理解・心への寄り添いにつながる知識習得を求めていました。

一方、夫・パートナーは、「妊娠中の運動」「妊娠中のサプリメントの服用」「妊娠中の体の手入れ」など、妊娠中に気をつける”行動”に関連する知識を取得しており、無意識のうちにずれが起こってしまっていました。このずれを埋めるために、アプリのIDを共有できる機能や、パートナーとしての心得・出産に関するコンテンツもあります。

妊婦は、日々変化する体や胎児の成長についてさまざまな不安がある一方、自分自身のことより、生まれてくる子どもについて意識を優先させて考える傾向にあります。そんな妊産婦のメンタルヘルス維持のためにも、妊娠・出産に関する適切な知識を身につけ、妊産婦を支えていくことも必要ではないでしょうか。

阪埜 浩司:日本産科婦人科学会 幹事長

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