「SNS」がどうしてもやめられない2つの理由 「依存症ビジネス」の巧妙すぎる手口

東洋経済オンライン / 2019年10月4日 7時30分

SNSがやめられないのには、理由があった(写真:/PIXTA)

SNS企業はユーザーの人間心理に付け込み、サービスを長時間使わせようとあらゆる手口を講じている――そのほうが儲かるから。ニューヨーク・タイムズのベストセラー『デジタル・ミニマリスト』の著者であり、ハイテク界の「こんまり」として全米メディアで話題のコンピューター科学者が、SNSに仕掛けられた巧妙な「依存」の罠の数々を暴く。

■スマホは「スロットマシーン」

2017年4月、アメリカの人気ドキュメンタリー番組「60ミニッツ」で「ブレイン・ハッキング」と題された特集が放送された。特集は、ジャーナリストのアンダーソン・クーパーによるインタビューの模様から始まった。

インタビューの相手は、きちんと手入れされた無精髭に薄茶の髪の細身のエンジニアだ。シリコンバレーの若年層から圧倒的な支持を得ている人物で、名前はトリスタン・ハリス。スタートアップを起業したのち、エンジニアとしてグーグルに勤務していたが、用意された道を自らはずれ、テクノロジー業界という閉じられた世界では極めてまれな生き方を選択した──内部告発者となったのだ。

「こいつはスロットマシンなんです」。インタビュー開始から間もなく、ハリスは自分のスマートフォンを持ち上げてそう言う。

「スロットマシン? どういう意味でしょう」。クーパーが訊き返す。

「携帯をチェックするのは、“さあ、当たりは出るかな”と期待しながらスロットマシンのレバーを引くようなものだからです」。ハリスは答えた。「ユーザーがサービスを使う時間をできるかぎり長くするために(テクノロジー企業が)使うテクニック集が存在するくらいです」

「シリコンバレーは、アプリをプログラミングしているのでしょうか。それとも人をプログラミングしているのでしょうか」。クーパーが尋ねる。

「人を、です」ハリスは答える。「テクノロジーは善でも悪でもないとよく言いますよね。どのように使うかを決めるのは使う側だという意味で。しかし、実際にはそうではなくて──」

「テクノロジーは中立ではないということですか」。クーパーが質問を挟む。

「中立ではありません。ユーザーに一定の方法で長時間使わせることを目的としています。企業はそこから利益を得ているわけですから」

トリスタン・ハリスが警告したとおり、新しいテクノロジーへの依存に認められる特徴は、多くの場合、偶然の産物ではない。巧妙にデザインされた機能によって引き起こされたものなのだ。

■SNS依存を助長させる2つのこと

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