遺品整理人が見た「汚物・激臭・虫」より辛いもの 亡くなった途端、豹変する人がいる

東洋経済オンライン / 2019年10月6日 17時0分

遺品整理人として、小島美羽さんが孤独死の現場をミニチュアに再現して訴えたいこととは(撮影:尾形文繁)

リアルすぎる孤独死現場の模型。2世帯住宅なのに、発見が1週間後だったというケースもある。孤独死は誰にでも起こりうる、と著者は呼びかける。実際の写真だと生々しく、故人をさらし者にしてしまう。遺族にも悲しい記憶を思い起こさせる……。

そこで思いついたのが、自身初挑戦のミニチュアによる再現だった。『時が止まった部屋 遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』を書いた遺品整理人の小島美羽氏に詳しく聞いた。

■ゴミ屋敷に必ずある尿の入ったペットボトル

――お風呂で孤独死された現場の様子が凄惨でした。熱い湯船、追いだき・保温機能で腐敗が早く、遺体が溶けてしまうって、目を覆う光景ですよね。壁1枚隔てた部屋で実際に起こりうると強調したくて、あそこまで作り込んだ?

そういう意図もあります。でも、まずはヒートショックへの危機感を高めてもらいたかった。冬場のヒートショックで、お風呂で溺死する方がすごく多い。ヒートショックは予防さえしていれば、亡くならずに済んだかもしれない。脱衣所にヒーターを置くとか、前もって浴室をシャワーで温めておくとか、湯温は40度以上にしないとか、急激な温度差を避けるだけで、リスクはだいぶ下がります。

――多くの孤独死現場の中から作られた模型は9点。それぞれテーマを込めた選択だったんですか?

例えばゴミ屋敷。多くの方がひとごとだと思っている。でもいじめ、過労、解雇、失恋、離婚、うつ、きっかけはいろいろです。今は大丈夫でも、何かの精神的ダメージでいつゴミ屋敷になるかわからない。

実際、私が依頼された中では弁護士さん、看護師さん、接客業の方が多い。外でエネルギー使い果たして、家では「何もしたくない」とすべて後回しになったのかもしれない。何かが起こったとき、それまでの自分でいられるか保証はないわけです。ゴミ屋敷に必ずあるのが尿の入ったペットボトル。トイレが使える状況でもです。面倒くさいというか、もう動きたくないと思っていたのでしょうね。

――そもそもですが、この仕事に就いたきっかけは何ですか?

父の突然死でした。最後の思い出は殴り合いのけんか。父は大酒飲みで、飲んでないときはいい人なんだけど、悪い部分もたくさん経験してきて本当に嫌いでした。

両親が別居したばかりで、母が用事で出向いたとき、倒れている父を偶然発見した。1日遅れていたら孤独死だったんです。生前は嫌いな人でも、やっぱり失ってから気づく愚かさというか、失って初めて大切だったものに気づいた。

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