「当日配送」ベンチャーが都内で続々誕生の事情 中小配送会社を組織化し、新サービスを展開

東洋経済オンライン / 2019年10月9日 7時55分

実店舗で購入した商品を配送する配送会社の配達員(写真:ウィルポート)

消費者向けネット通販(EC)市場が約18兆円に膨らみ、宅配便の取扱数は前年比約1.3%増の43億個超に拡大している(いずれも2018年度)。

配送需要が急増する一方、人手不足や働き方改革を背景に、ヤマト運輸など大手配送会社が当日配送サービスを縮小している。そうした中、アマゾンのように、大手配送会社に頼らず、複数の中小配送会社を束ねることで、当日配送を支援・実現するベンチャー企業が登場している。

■AIを使ってすべての物流管理業務を自動化

アスクルが手がける日用品EC「LOHACO」の「On Time便」で深夜・早朝の時間帯の配送を担うサービスが「Scatch!(スキャッチ)」だ。ソフトバンクの子会社であるSBイノベンチャーから2017年5月にスピンオフしたベンチャー企業「Magical Move」(マジカルムーブ)が運営している。

深夜・早朝便のサービスは、同社の武藤雄太社長(39歳)の実体験から生まれた。「平日の昼間には忙しくて荷物を受け取れないことが何度もあった。再配達はストレスになるし、貴重な週末を荷物の受け取りに使うのももったいなかった」(武藤氏)。

荷物追跡機能にも特徴がある。スキャッチのスマートフォンアプリは、ドライバーの位置情報がリアルタイムで表示できる。「荷物がいつ届くのかを予測できるので再配達が起きにくい。利用者だけでなくドライバーからも好評だ」(武藤氏)という。

独自の強みは、AIを活用した自社開発のシステムにある。これにより配車だけでなく、物量予測からルート最適化まで、すべての物流業務がシステムにより自動化される。武藤氏は「これまでの配送サービスは、何人のドライバーが、どの荷物を、どんなルートで運ぶのかをすべて人力で決めていた。それをシステム化することで大幅に効率化できている」と強調する。

一方、ドラッグストアなどで購入した商品を自宅に届けるサービスを展開しているのが、2015年設立の物流スタートアップ「ウィルポート」だ。柱となる配送サービス「ブラウニー」は、東京や大阪、広島の店舗を中心に300店と提携しており、約20万人の会員が利用している。

セールスポイントは、注文から3時間以内に荷物を届けるスピード配送だ。過去には最短2時間配送の「アマゾン・プライムナウ」の配送を受託していた実績もある。藤原康則社長(59歳)は「常時300人ほどのドライバーが稼働しており、店舗から半径2キロ圏内における荷物の配送をこなしている。迅速かつ効率的な配送のカギは、自社開発の配車システムにある」と語る。

■配送費用を負担しても実店舗にはメリット

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