なぜ東大生の3人に1人以上が男子校出身なのか 2.2%の「超少数派」が最難関大学を寡占

東洋経済オンライン / 2019年10月9日 7時20分

もちろん最難関大学に多くの合格者を出すことだけが学校の価値ではないが……(写真:今井康一)

男子校は少ない。2018年度の文部科学省の調査によると、全国に高校は4897校ある。うち「男子のみの学校」は107校。たったの2.2%だ。ちなみに「女子のみの学校」は299校で、男子のみの学校に比べれば2倍以上ある。公立のみで数えれば、男子のみの学校の割合はわずか0.4%にすぎない。男子校出身者は、もはや絶滅危惧種と呼ばれてもおかしくない状況だ。

■複数ランキングで見ても合格者の約6割を占める男子校

しかし2019年の高校別東大合格者数ランキングを見ると、5位まではすべて男子校、10位までの8割が男女別学校だ。20位までを見ても男子校が65%を占める。また、ランキング50位までの合格者数は計1880人。そのうち男子校出身者だけを合計すると1084人となり、約6割を占めていることがわかる。毎年約3000人が東大に合格するので、東大生の少なくとも3分の1以上が男子校出身者という計算だ。

東京偏重にならないように、東大・京大・国公立大医学部合計の過去5年間の平均合格者数ランキングで見ても、トップ20校のうちやはり65%が男子校である。

もちろん最難関大学に多くの合格者を出すことだけが学校の価値ではない。しかしたった2.2%しかない男子校が、少なくとも最難関大学への進学という学力面においては、驚異的な優位性をもっていることは明らかなのだ。

■「男女の脳の構造の違い」よりも大きな理由

「なぜ男子校の進学実績は高いのか」については、歴史的必然性と教授法の2つの観点から説明すべきであろう。

歴史的必然性の観点からの説明とはつまり、戦前から男子進学校として高い進学実績をたたき出し人気を集めていた学校がそのまま人気を保ち、男子校であり続けているケースが多いということ。1440年からの歴史を誇る、イギリスの名門イートン校がいまだに男子校であるのと同じ構造だ。

最難関大学合格者ランキング上位には戦後にできた男子校もあるが、そのほとんどは戦後十数年のうちにできている。つまり、親世代がまだ「男子校が当たり前」という戦前の常識を引きずっているころにできた学校だ。

さらに、私学が多い東京都において1960年代後半、教育行政の失策によって都立高校が名実ともに凋落し優秀な生徒が大量に私立中高一貫校に流れたことが、とくに東大合格実績において「私学優位」の印象を世の中に与え、結果として男子校をそのままの形で存続させたのである。

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