オンワード「大量閉店」を招いたしがらみは何か EC強化やデジタル化推進でも課題は大きい

東洋経済オンライン / 2019年10月11日 8時10分

国内外の店舗数百店を閉鎖する方針を打ち出したオンワードホールディングス。写真は同社の主力ブランド「23区」の銀座店舗(記者撮影)

「23区」や「自由区」、「組曲」など百貨店向けブランドを多数展開するアパレルメーカー大手のオンワードホールディングス(以下、オンワード)が、事業構造改革の一環として、国内外の店舗数百店を閉鎖する方針を明らかにした。

「アパレル業界を取り巻く環境は大きく変化している。既存のリアル店舗を中心とした事業基盤については選択と集中を進め、デジタルシフトの流れに対応して成長していきたい」。10月4日と7日に都内で開催した決算説明会の場で、オンワードの保元道宣社長は構造改革の目的についてこう説明した。

■2020年2月期は最終赤字に転落

今回の構造改革では、韓国事業から全面撤退するほか、「オープニングセレモニー」などのブランドを廃止する予定だ。継続するブランドにおいても不採算店舗の整理を加速させる。現在、国内外で展開する約3000店舗のうち、「約2割の600店を閉鎖」との一部報道もあったが、閉鎖店舗数について「目標数値はない」(保元社長)という。

一連の事業整理に伴い減損損失などが発生し、オンワードは今2020年2月期の上期(2019年3~8月期)決算で252億円の特別損失を計上。これに伴い通期の業績見通しも下方修正し、約240億円の最終赤字(従来予想は55億円の黒字)に転落する見通しだ。同社の赤字決算は、リーマンショック直後に業績が急降下した2009年2月期以来となる。

オンワードが巨額赤字を計上してまで改革に踏み込む背景には、同社を取り巻く経営環境の厳しさがある。オンワードは過去最高益を記録した2000年代中頃までは200億円前後の営業利益を安定的に稼いでいたが、百貨店の集客力鈍化や海外事業の不振により近年の業績は低迷。ここ数年の営業利益は50億円前後から抜け出せず、100億円を目指した前2019年2月期までの中期経営計画も大幅な未達で終わっていた。

そうした中でも健闘していたのが、自社ECサイト「オンワード・クローゼット」を中心としたEC事業だ。2009年12月にオンワード・クローゼットを開設し、自社ブランド商品のネット販売を開始。経済産業省出身の保元社長の肝いり施策として進め、2019年2月期のEC売上高は255億円(前期比26%増)と、会社全体の約1割を稼ぐまでの存在になった。

今回の構造改革で実店舗の展開規模は縮小させ、この先は経営資源の大部分をECのさらなる拡大に振り向ける方針だ。

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