大手私鉄に3セク、「台風19号」で鉄道が大打撃 ローカル線、不通長期化なら経営に懸念も

東洋経済オンライン / 2019年10月16日 8時0分

千曲川に崩落した上田電鉄別所線の橋=10月15日午前10時17分、長野県上田市(写真:共同通信)

台風19号はJR東日本の各線だけでなく、各地の私鉄や第3セクターの鉄道事業者にも大きな被害をもたらした。生活の足に多大な影響が及ぶのはもちろん、観光地を抱える路線では秋の行楽シーズンを前に観光客輸送にも打撃となるのは必至だ。

■震災復興の象徴、三陸鉄道が被災

今年3月、JR山田線から釜石―宮古間の移管を受け、従来からの南リアス線・北リアス線と合わせて岩手県沿岸部を走る1本の新たな路線「リアス線」として新たなスタートを切った三陸鉄道。東日本大震災からの復興の象徴として語られてきた同鉄道は、今回の台風で大きな被害を受け、再び復旧が必要な状況に見舞われている。

旧JR山田線区間の織笠―岩手船越(ともに岩手県山田町)では、盛土が流出し線路が浮いた状態となった。旧山田線の区間は震災の被害で不通となり、今春8年ぶりに運行を再開したばかりだ。このほか、旧北リアス線の田老―久慈間も運行できなくなっている。

不通区間では土砂流入やのり面崩壊など複数の被害があり、復旧には数週間単位の時間がかかるとみられる。15日から盛―釜石間は通常通り、宮古―田老間は臨時ダイヤで運行が行われているが、釜石―宮古間、田老―久慈間は不通が続いており、代行バスが運行されている。

東北地方では、福島と宮城県の槻木を結ぶ阿武隈急行も被災した。あぶくま駅(宮城県丸森町)のホームが流出・損壊、同駅付近で路盤が流されたほか、富野―兜(ともに福島県伊達市)間でコンクリート擁壁が崩壊、兜―あぶくま間で線路に土砂が流入した。15日昼から福島―梁川間は運行を再開したが、梁川―槻木間の運行は当面見合わせるという。

長野県の千曲川流域を走る鉄道は堤防決壊の影響が大きく、復旧には長期間を要することが予想される。新幹線の浸水だけでなく、私鉄や第3セクターの被害も大きかった。

上田電鉄別所線は、上田―城下(ともに上田市)間の千曲川にかかる橋りょうが増水により崩落した。

15日から下之郷―別所温泉間で運転を再開したが、上田―下之郷間は当面の間代行バス輸送となる見込みだ。同電鉄は国や長野県、上田市の公的支援を受けており、千曲川橋りょうの改修も進める予定だったが、今回の崩落により橋の復旧が必要な状態となった。

■千曲川氾濫の影響はほかにも

長野県内を走る第3セクター、しなの鉄道のしなの鉄道線は、大屋(上田市)―田中(東御市)間で線路上にかかるバイパスの跨線橋が崩落したため、これを取り除いて安全確認を行うのに相当な時間がかかる見通しで、上田―田中間で運転見合わせが続いている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング