2006年に見えていた巨大台風「日本上陸」の恐怖 スーパーコンピューターは何を予測していたか

東洋経済オンライン / 2019年10月17日 7時15分

「日本の台風観測史上ほとんど例のない、ハリケーンカトリーナに匹敵する勢力」とナレーションされた台風は、当時の地球シミュレータの画像では西日本全域を縦断する形で四国、中国地方を中心に甚大な被害をもたらします。

そのためこの台風は猛烈な雨を降らせるのですが、シミュレーション上では四国の山間部で最も多い雨を予測します。その雨量が8月の1カ月雨量を上回る600mmとなっていました。

■台風19号規模の災害は今後も起こりうるのか

番組の中で、国土技術政策総合研究所では「もしこの台風が実際に(当時の)四国を襲ったらどうなるのか」についても分析をしているのですが、吉野川の堤防に大規模な決壊をもたらし、市街地に流れた水流は5800haもの広さの住宅街を水に浸からせると予測していました。

「これはあくまでも地球シミュレータが計算した架空の台風です。しかし将来はこうした最大級の台風がより頻繁に出現し、日本のどこかを襲ってもおかしくないのです」

ここからは今回の台風19号や近年の日本における気象などを振り返りつつ検証していきます。近年の台風や豪雨被害の分布は西日本のほうに多くなっています。昨年、西日本の広い範囲で甚大な水害をもたらした「西日本豪雨」は記憶に新しいところですが、これは番組の中で、2006年に地球シミュレータが予測したとおりになっています。

また、ウェザーニューズによれば1時間あたりの降水量が50ミリを超える非常に激しい雨の回数は、1976~1985年と比べて2007~2016年は約1.3倍に増えています。ゲリラ豪雨の発生回数もここ数年でおおむね増加傾向が見られます。「豪雨の頻度が増えていく」という地球シミュレータの予測はここでも当たっていたと言えます。

そして今回の台風19号です。10月6日に発生し、10月9日時点での中心気圧は915ヘクトパスカルまで発達し、伊豆半島に上陸する直前の中心気圧は955ヘクトパスカル(速報値)ほどでした。上陸時点では地球シミュレータが予測した「未来の巨大台風」ほどの低い中心気圧ではなかったですが、猛烈な雨を降らせ、河川の堤防に大規模な決壊をもたらし、莫大な水流によって住宅街を水に浸からせた点は類似しています。

台風19号は、海面水温の高さから台風のエネルギー源である水蒸気がたっぷりと補給されて、急激に発達。台風の湿った空気が流れ込んで前線の活動も活発になりました。台風本体の雨雲と活発な前線の雨雲によって降水量が多くなったのです。

■短期間に降水量600mmは現実に

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