「大学統合」が地方創生と再編のきっかけになる 地方の国立大中心に経営統合の表明相次ぐ

東洋経済オンライン / 2019年10月18日 7時35分

2020年4月に名古屋大学と岐阜大学が経営統合し、「東海国立大学機構」が設立される。写真は名古屋大学の豊田講堂 (写真:Nori/PIXTA)

「大学統合」の動きが、国立大学を中心に活発になっている。

2019年5月に改正国立大学法人法が成立し、国立大学においても1法人複数大学制(アンブレラ方式)が可能になった。

■法改正により大学の経営統合の表明相次ぐ

国立大学に限れば、2020年4月に名古屋大学と岐阜大学が経営統合し、国立大学初の1法人複数大学「東海国立大学機構」が設立される。

その後も2021年4月に静岡大学、浜松医科大学による「国立大学法人静岡国立大学機構(仮称)」、2022年4月に小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学による「北海道連合大学機構(仮称)」、奈良女子大学と奈良教育大学による「国立大学法人奈良(仮称)」と既に4つの法人統合の検討が公になっている。

国立大学の統合だけではない。公立同士や国立と公立の組織統合も進んでいる。2019年4月には大阪市立大学と大阪府立大学が法人統合をする形で公立大学法人大阪が設立され、2022年には大学そのものを統合する予定だ。

また、5月には山梨大学と山梨県立大学が2019年度中に一般社団法人「大学アライアンスやまなし(仮称)」を設立するという表明もなされた。国立・公立大学法人としての独立性を保持したまま、2つの大学が社団法人に参画する方針を取る。法人統合に比べて緩やかな形だが、立地面を踏まえたときに取りうる手としてはこのようなケースは今後も増えてくる可能性を秘めている。

私立大学も例外ではない。文部科学省は今年、私立大学間の学部の譲渡をしやすくするため関連法令を改正し、全国の学校法人などに通知した。従来は学部を一度廃止して譲渡先の大学が改めて新設する必要があったが、より少ない手続きでそれが可能となった形だ。すでに本制度を活用する形で関西国際大学と神戸山手大学が2020年4月に「関西国際大学」として統合する方針を表明している。

なぜ、このように大学の経営統合が活溌になっているのか。それはよく言われていることではあるが、「少子化」の影響が大きい。

18歳人口は1992年にピークを迎えており、2018年以降は減少が加速する。すでに国内の3割以上の大学が定員割れを起こしている状況は、「2018年問題」とも呼ばれている。

少なくなった学生を獲得するために、多くの大学が存続をかけた改革の必要性に直面している。大学は公益性が高い組織である一方で、経営体ということもまた紛れもない事実だ。少子化が進む中、相当数の大学が経営難に陥ることは火を見るよりも明らかである。

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