六代目山口組ナンバー2の出所にくすぶる火種 「帰る場所がない」現実と分裂・抗争の激烈

東洋経済オンライン / 2019年10月18日 12時45分

高山清司若頭を乗せた「アルファード」は待ち構える報道陣の前を猛スピードで駆け抜けていった(記者撮影)

小雨が降りしきる10月18日早朝、府中刑務所(東京都府中市)の正門はものものしい熱気に包まれていた。中から出てきたのは神戸ナンバーのトヨタ「アルファード」。後部座席に乗っているのは六代目山口組のナンバー2、高山清司若頭(72歳)だ。

京都の建設業男性への恐喝容疑で逮捕されたのが2010年。公判では無罪を主張するも裁判所は恐喝罪で有罪を言い渡した。2014年6月、高山氏が最高裁への上告を取り下げたことで懲役6年の実刑が確定、府中刑務所に収監された。

■高山氏「不在中」に三分裂

日本最大規模を誇った山口組には80人近い「直参」と呼ばれる直系組長がいた。しかし高山氏が収監された翌2015年、司忍組長(本名・篠田建市、77歳)と高山氏の2人が築いた六代目体制に不満を募らせた直参13人が離脱を表明し「神戸山口組」を結成。その2年後には神戸山口組から抜けた一部が「任侠山口組」を立ち上げ、山口組は六代目山口組(約1万人)と神戸山口組(約5000人)、任侠山口組(約460人)の3団体に分裂した。

その後に勃発したのが六代目山口組と神戸山口組の対立抗争だ。事件やトラブルは100件以上にのぼり、高山氏の出所日が近づくにつれて激化した。今年4月、神戸山口組の幹部が刺される事件が起きると、8月には司氏や高山氏の出身母体である弘道会事務所前で、バイクに乗った神戸山口組関係者とみられる男の銃撃に弘道会組員が被弾、重傷を負った。

【2019年10月18日14時50分追記】初出時、弘道会事務所の所在地が誤っていため、上記の通りに修正しました。

この「返し(報復)」が10月10日に神戸山口組系事務所で起きた銃撃事件だった。雑誌記者を装った男が職務質問を受けている最中、近寄ってきた神戸山口組の組員2人に向かって発砲。撃たれた2人は搬送先の病院で死亡した。撃ったのは弘道会の組員(68歳)だった。

職務質問中に発砲を許すという失態を犯した警察は、六代目山口組や神戸山口組の組事務所20カ所に暴力団対策法に基づく使用制限仮命令を下す。高山氏の出所によって抗争がさらに激化することへの警戒と、高山氏が司氏の後を継ぎ七代目山口組の組長に就くことを阻止せんとする強い意志表示だった。

10月18日、5年4カ月ぶりに「シャバの空気」を吸った高山氏だが、六代目山口組の事務所にも弘道会の事務所にも立ち入ることができない。出所を目前にして「帰る場所」がなくなったのだ。

■組員の血液型まで収集

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