今は「リーマンショック物語」の続編が進行中だ バブルに乗る「悪質な確信犯」と犠牲者は誰か

東洋経済オンライン / 2019年10月19日 8時0分

2008年の金融バブル崩壊時に「悪役」となったリーマンブラザーズのリチャード・ファルド氏。今回のバブルが崩壊する時、誰が「悪役」や「被害者」となるのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

はじめに言っておくが、筆者は、現在進行中のバブルが近いうちに弾けるとは思っていない。全体の構造を考えると、「風船」は幸か不幸か、まだまだ膨らむ余地を残している。相場格言風に言うと「もうは、まだなり」がしばらく続く状況だろう。

■現在は「リーマンショック物語」続編の企画が進行中

だが、バブルの構造は見えて来た。

一般に言える教訓なのだが、「これがバブルだ!」と少し敏感な人が気付いた頃から、バブルが実際に弾けて、それがバブルであったことを証明するまでには、かなりの時間(典型的には2~3年)を要する。

じれったいと思ったり、イライラしたりする向きもあろうが、これが相場というものなので仕方がない。さて、前回の記事「ぐっちーさんは『リーマンショック』を予言した」で申し上げたが、今回のバブルのネタは株式や不動産といった古典的なリスク資産であるよりも、どうやら債券であるらしい。

どう見てもクレジットリスクが大きいのではないかと思われる企業の社債などがそこそこに人気を集めていて、こうした企業向けの貸し付けを多数集めて証券化した「CLO」(担保付ローン債務)が投資対象として販売されており、低金利で運用に困っている機関投資家がこれを大量に購入している。

この状況はリーマンショック以前の時期に、サブプライムローンを証券化した金融商品(CDO)を内外の金融機関が大量に保有していた状況によく似ている。言わば、「リーマンショック物語」の続編が企画されていて、目下着々と進行中なのだ。今のところ筋書きに工夫のない「2番煎じのドラマ」だが、スポンサーの了解は得られており、配役が固まりつつある。

民放のドラマや映画と一緒で、スポンサーがいないとバブルの物語は製作出来ない。バブルは「借金して、投資しすぎること」によって起こるので、借金が容易である必要があり、金融政策が緩和的であることがその生成の「必要条件」だ。今回は、スポンサーとして、FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)、日銀など、錚々たる大手が競うように金を出している。

当欄の巡回筆者だったぐっちーさん(山口正洋氏)が9月24日に亡くなったことを、前回の当欄でお伝えした。

もう一人の連載筆者であるかんべえ先生(吉崎達彦氏)が書かれていたように、外資系金融マンであった当時のぐっちーさんは、かつて、日本の機関投資家などにCDOを売っていた。当時のぐっちーさんが「良いもの」を売っていたとは言いがたいが、これを買った金融機関も一応は「プロ」なのであり、彼らが心底阿呆だったのだと言っておく。

■ぐっちーさんなら、今の問題をこう分析するかも

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