小学生の学びに見えた承認欲求との付き合い方 果てのない山登りのようだが成長の糧にもなる

東洋経済オンライン / 2019年10月21日 14時0分

本当に満たされきってしまったらそこでストップしてしまう(写真:Greyscale/PIXTA)

褒められたい。

認められたい。

誰かに見てもらいたい。

満たされたい。

「承認欲求」と呼ばれるものを、ボクたちはさまざまに抱えています。

SNSでの発信が当たり前になったいま、「承認欲求」はかなりホットなワードとなりました。多くの種類の承認欲求が存在するように、承認欲求を満たす手段というのもまた、いまの社会にはたくさん存在しているみたいです。

ただ、「承認欲求」とは、なんか堅苦しい表現ですね。最近ではちょっとマイナスなイメージも含んで使われているようにも思います。だけどボクは、承認欲求に、なにか「成長」にまつわるポジティブなエネルギーを感じているので、ためしに親しみを込めて……例えば、そう「みてみて欲」くらいカジュアルな呼び方をさせてください。

■アイスは溶ける

ボクは、小学校で先生をしています。拙著『one and only 自分史上最高になる』でも触れていますが、小学校の子どもたちにも、みてみて欲があります。

低学年のクラスを受けもったとき、かけ算の九九を覚えてもらおうと「100ます計算」ならぬ「81ます計算」をやりました。

1から9までの数字をタテヨコ1列目に順番に並べた表をつくり、「よーいドン!」のかけ声で、F1の音楽にのせて、81のますをかけ算して埋めていくというもの。

制限時間は2分。クラスで一斉に始めて、答え合わせも子どもたち同士に任せます。すべて正解したうえで、解き終わるまでに2分を切った子には、「U2」(Under 2minutes)という称号が与えられます。「U2」の子は、その年の年賀状に、自分がU2の資格保持者であると、書いていいのです。

これには、子どもたちのテンションがめちゃくちゃ上がりました。

クラス全員がだいたい「U2」になると、チャレンジを「RU2」(Random Under 2minutes)というものに進化させることにしました。

タテヨコ1列目に1から9までを順番に並べるノーマルなフォーマットに対して、数字をランダムに配置した81ます計算のチャレンジが、「RU2」です。

難易度は大幅にアップ。でも子どもたちは、新たなチャレンジに、さらにやる気を出します。ふつうは嫌われがちな九九ですが、「U2」を取り入れたことで子どもたちは家に帰ってもずーっと九九に熱中して、保護者を驚かせたそうです。

■満たされるても長くは続かない

この「U2」チャレンジをクリアする意欲も、根底にはみてみて欲があるからでしょう。 2分以内に解答を成功させることで、「U2」とクラスのみんなから呼んでもらえるという承認が、その子にとってはものすごく大切な報酬になる。

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