日立は、なぜ「ディズニー」とタッグを組むのか 東原社長が明かす「IoT活用」の可能性とは?

東洋経済オンライン / 2019年10月22日 7時15分

10月上旬にアメリカ・ラスベガスで行われた日立製作所のイベントに、東原敏昭社長(左から2人目)とミッキーマウスが登壇した

「ディズニーと協力できる部分はたくさんある」

日立製作所の東原敏昭社長は10月上旬、アメリカ・ラスベガスで開催した自社のITイベント「NEXT2019」で、人気キャラクター「ミッキーマウス」と登壇し笑顔を見せた。

日立のアメリカのIT子会社である日立ヴァンタラとウォルト・ディズニーが次世代テーマパークのIT化に向けて提携した。日立が独自に開発したIoT基盤「ルマーダ」をアメリカ・フロリダのウォルトディズニーワールドリゾートやカリフォルニアのディズニーランドリゾートに提供する。

■日立が目指す「社会イノベーション」

日立はアトラクションにセンサーを取り付けて温度や振動などのビッグデータを集めて、機器の作動状況を分析・確認し、適切な保守点検で稼働率向上につながるように支援する。「将来的には人の流れの最適化やセキュリティー対策なども含めて提供したい。毎年数千万人が訪れるテーマパークをひとつの街に見立ててそこに集まるゲストのハピネスに貢献していきたい」(東原社長)。そして、今後のスマートシティへの事業拡大も見据えた布石に位置づけている。

日立グループが今目指しているのがこうした「社会イノベーション」だ。社会のあらゆる産業や生活にルマーダを提供して、顧客の価値を上げていくものだ。日立はモーターからストレージ、電力機器、自動車機器、家電まで幅広いプロダクトを扱い、その保守運用から制御技術(OT)のノウハウも豊富だ。

ルマーダはそれらをつなぐ重要なプラットフォームだ。語源はデータに光を照らす(イルミネート)という造語。現場のプロダクトから得られたデータについてAI(人工知能)などを活用して解析・判断して、また現場にフィードバックする仕組みだ。

幅広い事業領域を手がけてきた日立だが、今はすべての部門が「レッツ・ルマーダ」の掛け声の下、一致団結しようとしている。製造から金融、ヘルスケア、農業、都市開発など幅広いパートナーとルマーダで組んでおり、単なる機器売りから顧客課題を解決する集団へ変革しようとしている。
 
「協創」と「デジタル」をキーワードに掲げて、ルマーダを中心にグローバルトップ企業を目指す日立。アメリカ・ラスベガスで東原社長を直撃し、その狙いや今後の方針を聞いた。

――ウォルト・ディズニーと提携すると発表しました。その狙いはどこにあるのでしょうか。

世界がもっとよくなり、ハッピーになったらいい。それがディズニーとの協創の背景だ。日立は今、(社会課題をIoTなどで改善する)社会イノベーション事業を主力にしようとしている。“ハピネス”を追求して、人々のクオリティー・オブ・ライフの向上に力を入れるためだ。笑顔がもっとあふれる社会を作るという意味で、今回のディズニーとの協創は非常にマッチしている。

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