ワークマンが「新型ECサービス」を始めるわけ 店舗受け取り体制を強化、アマゾン対抗へ

東洋経済オンライン / 2019年10月23日 7時55分

ワークマンプラスのららぽーと立川立飛店(東京都立川市、写真:ワークマン)

作業服チェーンのワークマンがEC(インターネット通販)の強化に乗り出すことが明らかになった。

同社は2020年3~4月をメドに、「C&C(クリック&コレクト)」式のECサービスを打ち出す。C&Cとは、消費者がWeb上で商品を購入し、その品を店舗で受け取る仕組みのこと。ワークマンは注文を受け付けると、店舗から商品をピックアップし、営業時間中に袋詰めにして、翌日には注文者に手渡しすることができる体制を築く。

■通常のECはいずれ取りやめる

C&C式のECサービスを展開するためには、在庫管理や需要予測をより一層向上させ、自社の配送便と密な連携をとることなどが求められるが、それを可能にするシステム構築を日立グループや富士通グループなどに全面委託する。

ワークマンは現在、Webで注文を受け付けて直接注文者に配送する通常のECに加え、店頭で手渡すサービスも一部では行ってはいる。しかし、現行のサービスは注文を受けるたびに群馬県にある倉庫から出荷していたため、店舗で注文者に手渡すのは、注文から3~4日かかっていた。

アメリカEC大手のアマゾンは、日本で当日や翌日に商品を届けるサービスを打ち出している。ワークマンの施策は、こういったECのスピード化に追従する狙いがある。

また、注文者を店頭に誘引すれば、その際にほかの商品を買っていくことも期待できる。ワークマンの土屋哲雄専務はC&C式を導入する理由について、「直接販売(通常のEC)はいずれやめようかと思っている。お客さんに店舗に来てもらうのが、(顧客の利便性や店舗の売上増を考慮すると)一番よい」と語る。

ワークマンは、今2019年度に20億円程度と見込むEC売上高を2020年度40億円、2021年度80億円へ引き上げる算段だが、2018年度の売上高が669億円の同社にとって、ECは全体の3%弱しかなく、それほどのインパクトがないように見える。

それでもEC展開を加速する背景には、アマゾンの脅威がある。ワークマンの試算によると、国内の高機能作業服の低価格帯市場は約4000億円ある。この領域には目下、国内勢では目立ったライバルがいない。だが、書籍や家電、アパレルなどあらゆる業態を駆逐してきたアマゾンが、作業服市場に乗りこんでくると、勢力図を大きく塗り替えられる懸念がある。

そこで、ワークマンは店舗1000店体制(現状約850店舗)を早期に確立し、同時にC&C式のECサービスを強化して対抗する。オムニチャネル化を発展させて消費者を囲い込むことで、「アマゾンの進出を防ぐ」(土屋専務)狙いだ。

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