東横線とは違う「東急多摩川線」の隠れた実力 路面電車のように乗れ、使い勝手が良い

東洋経済オンライン / 2019年10月24日 7時0分

東急多摩川線の電車は地下ホームの多摩川駅を出発するとすぐに地上に出てくる(筆者撮影)

蒲田は東京南東部、城南地区随一のターミナルである。ご存じのとおり羽田空港に向かう京急空港線が本線から分かれる京急蒲田駅があり、そこから少し西に離れたところには首都圏の大動脈・JR京浜東北線が南北に通る。そしてほかにもJR蒲田駅のすぐ西側から伸びている路線がある。東急電鉄の池上線と多摩川線だ。

■東急多摩川線ってどんな路線?

東急池上線と多摩川線。3両編成の短い電車が走るだけの、どちらかというと“ローカル線”である。ただ、五反田―蒲田間を走る池上線は比較的知名度が高いかもしれない。五反田という山手線のターミナルまでを結んでいたり、最近では1日乗車無料のキャンペーンをやったりしていて、それなりに話題になることも多い。そう言えば、かつて西島三重子の歌う『池上線』がヒットしたこともあった。

ところが、それに対して東急多摩川線はどうだろう。走っている区間は多摩川沿いの多摩川―蒲田間。わずか10分と短いし、沿線にこれといった観光スポットがあるわけでもなく、蒲田というターミナルに集う鉄道路線の中では目立たない路線ではないだろうか。かくいう筆者も、東急の路線の中で東急多摩川線だけは乗ったことがなかった。

いったいどんな路線なのか。沿線にはどのようなものがあるのか。

まずは田園調布駅を訪ねて、多摩川線の各駅を管理する山口嘉之田園調布駅長と高塚豊蒲田駅長の話を聞いた。

田園調布駅が多摩川駅から武蔵新田駅まで、蒲田駅は矢口渡駅と蒲田駅を管理しているという。ふたりの駅長は口をそろえて「東急の本線格の路線、たとえば東横線とか田園都市線とはまったく違う」と話す。

■住民との距離が近い

「何が違うって、多摩川線は沿線に住んでいる方々との距離がすごい近いんですよ。私は入社当時多摩川線で勤務をしていたものでよく覚えているんですけど、差し入れが多くて(笑)。お客さんが『駅のみなさんでどうぞ』とお菓子とか果物を持ってきてくださいます。係員もそれをよくわかっていて、『〇〇さんからいただいたのでお礼を言いましょう』などと書いた紙もありますよ」(山口駅長)

「なにかイベントごとがあると駅にも声をかけてくれますよね。武蔵新田の駅には新田神社があるんですけど、そこで毎年2月に武者行列をやっています。秋口からみなさんで甲冑を作って、それを着てやるんですけど、私も呼んでもらって甲冑(かっちゅう)を着て歩きました(笑)」(高塚駅長)

「そういえば私も多摩川駅近くの浅間神社のお祭りでみこしを担ぎましたね。ぜひ担いでくださいということで。東急の駅長でみこしを担いだのは私くらいじゃないかと思っています」(山口駅長)

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