楽天に怒り爆発、「送料改革」に出店者が反旗 公取委もプラットフォーマーの動きを注視

東洋経済オンライン / 2019年11月1日 14時30分

「楽天市場」の出店者に向けた戦略共有会(2018年7月)。独自物流網を拡充する「ワンデリバリー」構想の重要性を訴える楽天の三木谷浩史会長兼社長(撮影:大澤誠)

「もはや商売にならないくらい利益を圧迫されてしまう」「怒りと戸惑いしかない」「楽天自身の直販部門や大手ブランド出店者ばかり優遇している」「自分たち中小出店者のことをボウフラ程度にしか思っていないのではないか」「これ以上黙って見過ごせない」――。

日本最大級のネット通販(EC)モール「楽天市場」。ここに出店する一部の事業者が、モールの運営主体である楽天に対し反旗を翻している。「度重なる一方的な規約変更」に対抗するため、「楽天ユニオン」と称する出店者組合を10月初旬に設立。顧問弁護士も立て、施策に反対する署名活動や、楽天出店者トラブル事例収集、それらを基にした公正取引委員会への情報提供などに向けて動き出している。同組合関連の連絡網には10月末現在、200近い出店者が名を連ねる。

出店者からの反発がとくに強いのは、楽天が今年1月に打ち出した「ワンタリフ」構想だ。これは消費者が楽天市場内のどの店舗で購入しても、一定額以上であれば一律で「送料無料」とするもの。「楽天市場への消費者の不満で、とくに多いのが送料体系のわかりにくさ」(楽天の三木谷浩史会長兼社長)だったことから検討が始まった。8月にはその送料無料ラインとなる購入金額を3980円とすることが、楽天から発表されている。

■送料は基本的に出店者負担

そもそも人が運んでいる以上、送料は「無料」であるはずはない。消費者にとって無料となれば、その分を出店者が負うことになる。楽天市場で送料無料とする場合の費用は、これまでもすべて出店者負担だったが、送料無料ラインは出店者ごとに自由に決められたため、自社の利益を圧迫しない範囲で設定している店舗が多かった。だが今回、送料無料ラインを3980円に統一しなければならない。かつ、基本的にはすべて出店者負担となる見通しだ。

「利幅の薄い商品は厳しい。品目を絞るか、退店するしかない」(食品や雑貨を扱う出店者)、「多くの店舗が送料分を価格に転嫁すれば、楽天での販売価格は全体的に他モールより高くなるはず。楽天市場自体の魅力低下につながるのでは」(家具を扱う出店者)。出店者からはこうした不安が噴出する。また、送料体系のわかりにくさ解消については、「送料込みの総請求額で商品を比較できるようにすれば済むのでは」という意見も聞かれる。

楽天は出店者向けに在庫管理、出荷作業などを一括で担う総合物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」を2012年から展開。ラストワンマイル(消費者への配送)も含め楽天のコントロールを強化する「ワンデリバリー」構想も打ち出し、これら業務を出店者が個別に行うよりコストを抑えられるような仕組み作りに邁進している。が、出店者によって扱う商品や売り方はさまざま。すべての出店者にとって楽天の施策が好条件というわけではない。

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