日産の「次世代EV」は反転攻勢の切り札となるか ブランド再建へ先進技術を前面に押し出す

東洋経済オンライン / 2019年11月11日 7時10分

日産自動車が東京モーターショーで世界初公開した電気自動車のクロスオーバーコンセプトカー「ニッサン アリア コンセプト」(撮影:大澤誠)

反転攻勢への切り札となれるか――。

日産自動車は2020年後半にも、次世代型の電気自動車(EV)を市場投入する予定だ。同社は2017年以降、完成検査不正に始まり、カルロス・ゴーン元会長の逮捕、業績不振と暗い話題が続く。今年12月には内田誠社長が就任して新しい経営体制が発足するが、先行きは不透明のまま。日産は次世代EVや運転支援システムなど先進技術を前面に押し出し、“新生日産”をアピールしていく戦略だ。

■リーフを試験車に、開発進める2モーターEV

10月下旬、神奈川県横須賀市にある日産のテストコース。グレー色のラッピングを施した日産の主力EV「リーフe+(イープラス)」が現れた。現在開発を進める次世代量産EVのテストカーだ。外観は通常のリーフとほとんど同じだが、車両の前後に計2基の電動モーターを搭載して4輪駆動にしている。

2基のモーターを積んだことで、モーターが1基のみの通常車に比べて、システム最高出力は40%増、最大トルクは2倍とハイパワー化している。それがまず実感できるのが直線での加速。テストコースで試乗させてもらい、アクセルを一気に踏み込むとあっという間に時速100㎞を超えた。

事前に通常のリーフにも試乗したが、加速の力強さの違いに驚いた。それは単にモーターの数だけでなく、「1万分の1秒単位で緻密にモーター制御したことで、素早いレスポンスと滑らかな加速を両立した」(開発担当者)ためだという。

時速60㎞でスラローム走行し、ハンドリング性能も体感した。同じ条件で通常のリーフを走らせると、コーナリングで車体が外側に振られ、ステアリングを大きく戻す操作に必死になった。一方のテストカーでは、外側に振られる幅が減り、ステアリング操作も小さく済むのがはっきりとわかる。

これには、路面や車両の走行状況によって前後輪の駆動力を変化させるほか、4輪のブレーキを車輪ごとに個別制御し、コーナリング時に内側の車輪にブレーキをかけて車体をコントロールする技術が貢献している。

開発担当者は「2モーターのEVは各社も開発していると思うが、これまで培ってきた電動化技術、4駆制御、シャシー制御を統合的に制御する技術は他社にはない強み」と強調する。

そもそも自動車メーカーが開発中のテストカーに記者を乗せることは異例だ。日産はなぜこのタイミングで、2モーターEVに試乗させる機会を設けたのか。その答えは10月24日から11月4日まで開催されていた東京モーターショーにあった。

■2020年後半に新型EVを投入か

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