日産の大幅減益、出口が見えぬ「アメリカ再建」 一部に改善効果も、欠かせぬ新車投入

東洋経済オンライン / 2019年11月16日 8時30分

日産自動車は業績が低迷し、アメリカ事業の立て直しが急務となっている(撮影:大澤誠)

真っ暗なトンネルを手探りで進む日産自動車に、出口の光は見えているのか。

11月12日に発表した日産の2019年4~9月期決算は、通期の営業利益見通しを期初から800億円引き下げ、前期比52.9%減の1500億円とした。北米や中国、日本など世界の全地域で新車販売が想定を下回り、想定為替レートが円高に振れていることが響いた。

業績の低迷が長引き、元凶であるアメリカ事業の立て直しが急務となっている。

■次期CFOは「回復は順調」と自信を見せるが・・・

「アメリカにおいて販売の質向上に向けた取り組みの成果が表れ始めた」「アメリカ事業のリカバリーは順調に推移している」

12日に記者会見したスティーブン・マー次期最高財務責任者(CFO)は、主力のアメリカ事業の改善が順調に進んでいることを何度も強調した。

北米はかつて日産の営業利益の4~5割を稼ぎ出していた。2008年のリーマンショックから景気が回復して北米の新車市場が成長していく過程で、カルロス・ゴーン元会長はインセンティブ(販売奨励金)と呼ばれる販売促進費用を使った値引きを乱発し、市場シェア獲得に邁進していった。

ところが、市場拡大が頭打ちになると、奨励金を積みましても売れなくなり、収益性が大幅に悪化。北米事業は日産の屋台骨から一転、経営のお荷物に転落した。

それだけに日産は現在、最優先課題として北米事業の立て直しに取り組んでいる。個人向け販売でのインセンティブの抑制と、レンタカーなど収益性が低いフリート(法人)販売を減らすことが柱だ。

マー氏によると、1台当たりインセンティブの金額は前期を下回る水準で推移し、新車の平均売価も上昇しているという。

車が売れなくて膨れていた販売会社の在庫も、減産によって第2四半期(7~9月)には第1四半期(4~6月)と比べて9%減と圧縮が進んでいる。

財務面でもそうした努力がわずかながら表れ始めている。北米事業の第2四半期は、インセンティブなど販売費用の削減効果が販売台数の減少影響を上回った。第1四半期までは値引き費用を減らした以上に販売台数が落ち込み、利益を大きく目減りさせていただけに、「改善している」というマー氏の言葉は事実だろう。

■値引き金額は高止まりのデータも

ただ、日産が強調するほどに状況は好転していないようだ。アメリカの調査会社オートデータによると、日産のインセンティブは高止まりしており、値引き戦略からの転換に四苦八苦している様子がみてとれる。

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