GSOMIA破棄延期、日本は「外交」で勝利したのか 展望描けぬ日韓関係悪化にそろそろ終止符を

東洋経済オンライン / 2019年11月27日 7時20分

11月23日、日韓外相会談を前に、握手し席に向かう茂木敏充外相(右)と韓国の康京和外相(写真:時事通信)

協定失効のわずか6時間前に韓国政府が「破棄通告の効力を停止する」と発表して事なきを得たかに見えた「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)騒動」だが、日韓の間では早くも、日本側の説明に韓国政府が抗議し、「謝罪した」「謝罪していない」というレベルでもめている。

安倍晋三首相が「日本は一切、譲歩していない」と発言したなどという報道に、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安全保障室長が予定外の記者会見で「良心の呵責を感じずに言える発言なのか」と批判したのだ。輸出管理問題で局長級の協議が始まり、日韓の関係悪化が一息つくのではと期待されたが、内実はそんな生易しいものではなさそうだ。

■撤回求め、アメリカが韓国に強い圧力

日韓の政府関係者に聞いてみると、今回はアメリカの韓国に対する圧力がそうとう強烈だったようだ。しかも、ホワイトハウスと国務省、国防省、議会が珍しく足並みをそろえ、次々と韓国に撤回を求めてきた。ここぞというときは腕力を振りかざし、有無を言わせず相手を従わせるアメリカらしい手法だ。これでは韓国はひとたまりもなかっただろう。

エスパー国防長官をはじめ、国務、国防両省の幹部が相次いで訪韓し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はじめ韓国政府要人に激しい言葉で撤回を求めた。表には出ていないが、日本批判の急先鋒で今回のGSOMIA破棄の旗振り役だった金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長に対しては、ホワイトハウスのポッティンジャー大統領副補佐官らが繰り返し撤回を要求したという。

国防省は同時に、在韓米軍経費の韓国の負担を一気に5倍の50億ドルに増やせと要求した。韓国が硬い姿勢を見せると、3回目の協議で開始わずか80分で席を立つというパフォーマンスも見せた。

また、軍人出身のハリス駐韓米大使は韓国議会幹部とのお茶の席で「5billion」という言葉を20回以上も繰り返し、韓国側を「こんな無礼な大使は初めてだ」とあきれさせた。11月21日にはアメリカ議会上院が「域内の安全保障協力を阻害しかねない」と、韓国を一方的に批判する決議を採択した。

普段はトランプ大統領の暴走への反発から足並みのそろわないアメリカ政府や議会だが、今回は珍しく歩調を合わせて韓国に対応した。大統領選を控え、対中貿易摩擦や米朝協議などで成果を上げたいトランプ大統領は、中国や北朝鮮を利するような韓国の行動を受け入れられなかった。

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