日高屋が「ちょい飲み」路線を転換する事情 働き方改革で既存店が失速、新業態を模索

東洋経済オンライン / 2019年11月29日 8時0分

「ちょい飲み」需要を開拓して伸びてきた日高屋が戦略を大きく方向転換しようとしている(記者撮影)

「勝ち組」と称されてきた外食チェーンが、ビジネスモデルの見直しを迫られている。

中華料理チェーン「中華食堂日高屋」を中核業態とするハイデイ日高の業績が足踏みし始めた。2019年3~8月期の業績は、売上高が前年同期比横ばいの211億円、営業利益は同11%減の22.8億円となった。

既存店売上高は2018年11月以降、12カ月連続で前年同月比割れを続けている。今10月の既存店売上高も同6.3%減と、一向に上向く気配を見せていない。

■働き方改革で夜間客が大きく減少

ハイデイ日高は東京や埼玉、神奈川など、関東圏の駅前立地を中心に438店舗を展開している(2019年10月末時点)。仕事帰りのビジネスパーソンがアルコール飲料を少しだけ飲む「ちょい飲み」需要を開拓し、前2019年2月期まで16期連続で増収増益を達成。低収益性で苦しむ外食チェーンが多い中、売上高営業利益率も11%を超えていた。

飛ぶ鳥を落とす勢いの日高屋だったが、ここにきて失速し始めたのはなぜなのか。

1つは、強みとしていた夜間客の減少だ。同社の島需一取締役は「世間一般の会社が働き方改革を打ち出したため、ビジネスパーソンは早く家に帰るようになった。残業が減って収入が減少している影響も大きい」と語る。

同社が開拓してきたちょい飲み市場に、ライバルチェーンも続々と参入。さらに、「ここ1年くらいで、極端にアルコール飲料を値下げする店が増えた。アルコール飲料の価格を下げれば顧客を呼べると、多くの企業が知ったからだ」(高橋均社長)。その結果、夜に来店する顧客が減った。

人手不足の影響もある。島取締役は「店舗を増やしたもののスタッフが十分に集まらず、研修も不足気味となりQSC(品質、サービス、清潔さ)が落ちた」と振り返る。

また、日高屋は24時間営業や深夜2時まで営業する店舗が多かったが、人手不足の影響で約1年半前から23時に閉店する店舗を増やすなど、営業時間を短縮。2019年3~8月期の業績を直撃した。

この状況を受けて、2019年3月から生ビールを330円(税込み、以下同)から、営業時間中いつでも290円へと値下げした。10月の消費増税時も値段を変えず、実質的な再値下げに踏み切った。それでも、10月の客数は前年同期比5%減と、前年割れの状況を改善できなかった。

■ちゃんぽんやパスタ業態へ進出

成長戦略に限界が見える中で、ハイデイ日高が次なる戦略として掲げるのが新業態の開発だ。ちゃんぽんやパスタ、餃子、高価格ラーメン店を2019年12月から2020年にかけて、矢継ぎ早に出店する。

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