「遺言書を書きたい人」が急増している背景事情 知っておくべき最低限の知識はコレだ

東洋経済オンライン / 2019年12月1日 7時25分

遺言を書きやすくなったのはご存じですか?(写真:bee/PIXTA)

最近、筆者の元に「遺言を書きたい」というご相談が急増しています。

この背景には、2019年1月13日以降、民法改正により「自筆証書遺言」の様式が緩和されたことがあります。これは遺言を書きやすくするためであり、国としては相続をめぐる紛争を防止したり、所有者不明の土地や空き家を減らす目的から、どんどん遺言を書いてもらいたいのです。

「遺言書」というと相続財産の多い富裕層のためのものと思われるかもしれませんが、普通の方こそ遺言を書くべきなのです。

■偏った相続を考えている人は…

例えば、自宅と少々の老後資金が全財産で、子供が3人いるが、自宅は同居している長男に渡してあげたい、なんて方。つまり偏った相続をお考えの方。長男以外の子供が納得する遺言を書いておいてあげると、「争族」を回避するのに大きな力となります。

また、障害のある孫にまとまった財産を残してあげたい、なんて方。孫は相続人ではありませんので、遺言がない限りは何も渡せません。孫をはじめ、長年介護をしてくれた長男の嫁、内縁関係の配偶者、認知していない子供、世話になった人や団体など、相続人ではない方に何かあげたい場合には、遺言を書く必要があります。

また、近年多いのは、連れ合いを亡くした後の中高年同士の再婚です。再婚後、夫が所有する自宅で夫婦二人、暮らしてきたとします。そして夫が妻より先に亡くなったとします。そうすると、遺言がなければ夫の所有する自宅が相続財産として相続人同士の遺産分割(分け方)の対象となります。

夫には前妻との間に子供がいることが多いでしょう。そんなとき、相続人は、この後妻と夫の前妻の子供となります。そして夫の財産の大半が自宅である場合、夫の子供たちが法定相続分を主張すると、後妻は家を売却して、出て行かざるをえないこともあります。

この話、家族のあり方に対する意識が変貌した最近の風潮では、血のつながった実の親子間でも起こりうる話です。そんな中、年老いた配偶者が安心して老後を暮らせるように手配しておいてあげるには、やはり遺言が大きな力を発揮するのです。

そこで今回は、自分1人で遺言を書くなら、ココだけは注意せよ、という点をご紹介します。

これまで自筆証書遺言は、遺言書全文、日付及び氏名を自筆で書く必要があり、これがかなりの負担となっていました。不動産など複数あればなおさらです。また、書き間違えた場合の加除訂正にも厳格な方式がとられ、これらの方式を満たさないと、せっかくの遺言が無効となるおそれがありました。

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