お金持ちが「現金よりローン」を積極的に選ぶ訳 借金・負債との"正しいつきあい方"
東洋経済オンライン / 2019年12月3日 7時35分
「超低金利時代」と言われつつ、終身雇用の前提が崩れた今、ローンを組むのに二の足を踏んでいる人も多くいるでしょう。しかし一方で富裕層はローンを好み、積極的に組んでいくといいます。お金をたくさん持っている彼らが、なぜわざわざ利子のかかるローンを組むのでしょうか?
元野村證券のトップセールスであり、マザーズ上場のフィンテック企業を経営する冨田和成氏の近著『資本主義ハック 新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点』から、ローン・負債に対しての考え方を紹介します。
■負債とは便利なテコである
元手が少ない中で資本の利回りを得るための手段として、ローンというものがある。通常、ローン、あるいは借金・負債と聞くと多くの人は怖がる。
しかし、逆に富裕層はローンが大好きだ。
私はかつて東南アジアのあるオーナー社長から日本で不動産投資をしたいと相談を受けたことがある。
そのためにめぼしい物件を探し、見つけることができたが、その物件の購入条件に「キャッシュで払うこと」というものがあった。借り手が海外に住んでいたら、いざというときに取り立てに行けないからだ。
その話を社長にしたら、「人の金で儲けられるから不動産投資をするのだ。そこにキャッシュを使うくらいならほかにもっと有効な使い道はいくらでもある!」と怒られた。まさに正論である。
資本主義のゲームをわかっている経営層や投資家は、負債のことを「テコ」だと認識している。自分では動かせない重たいものを動かすときに一時的に借りる便利な道具だ。道具の利用料を少し支払って重たいものを動かし、利用料を上回る利益を出せれば、自分のお金をほとんど使っていないのに利益が生まれる。
不動産投資なら、毎月の賃料収入がローン返済額を上回れば、毎月お金が生まれる仕組みになる。
経営もそうだ。銀行からお金を借りて工場を作り、工場が生み出す利潤が返済額を上回れば、自社のキャッシュに手をつけずに事業を拡大することになる。
この「負債=テコ」という発想はあらゆる場面で持ちたい。自分にとってリターンの見込めそうな大きな石が転がっていたときに「絶対動かせないや」とすぐに諦めるのではなく「これを動かすテコはどこかにないかな?」と考えるのだ。
例えば、会社員をしながらブログを書き続けていて、いずれはフリーか副業でライターになることを考えている人がいたとしよう。
ある日、たまたまAmazonで一眼レフのカメラを見て「写真も撮れるライターなら編集者に重宝がられて差別化できるかもしれない」と気づいた。
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