野村HD、「奥田新社長」が背負う期待と難題 不振の国内営業部門をいかに立て直すか

東洋経済オンライン / 2019年12月3日 8時0分

野村ホールディングスの新しいグループCEOに就く奥田健太郎・グループCo-COO(左)。右は、永井浩二・現グループCEO(撮影:尾形文繁)

国内最大の証券グループである野村ホールディングス(HD)のトップが8年ぶりに交代することになった。

2012年8月から社長兼グループCEOを務める永井浩二氏が2020年3月末に退任し、後任として現在、副社長兼グループCo-COOを務める奥田健太郎氏が就く。

■1年以上前から「永井後継」を議論

奥田氏は1963年生まれの56歳。1987年に野村証券に入社し、経営企画部長などを経て、インベストメントバンキング(投資銀行)部門を歩んできた。直近では、野村の米州地域ヘッドとしてアメリカの投資銀行部門を統括していた。

永井氏の後継者選びは、1年以上前から社外取締役が中心になって指名委員会で議論をしてきたという。「野村のCEOに求められる資質をすべて備えたスーパーマンはいないが、IB(投資銀行)の経験が長く、社内外の方とのコミュニケーション力も高い奥田君なら良いだろうということになった」(永井氏)

奥田氏は「IT系など異業種の参入も増えており、将来の金融のメインプレーヤーは現在と同じではないのでは。市場のニーズをとらえ、変革の速度あげたい」とした上で、「社員1人ひとりが誇りのもてる会社にしていきたい」と抱負を述べた。新しいグループCEOとして永井氏の進めてきた路線を継承。2020年4月から改革をさらにスピードアップするという。

野村の抱える最大の課題は、営業部門にある。永井氏がグループCEOに就任した2013年3月期には、営業部門の税前利益は約1006億円だった。しかし、2019年3月期のそれは約494億円と半分以下に沈んでいる。外部環境の変化はあるものの、野村HDの屋台骨を支える営業部門にほころびが出始めている。

そこで、野村HDはグループ全体で2022年3月までに1400億円のコストを削減するなど、収益構造を大きく変える「改革」の途上にある。今年に入ってからリテール改革を進め、支店の統廃合を進める一方で、「マッチング」と呼ぶ制度改革も断行した。これまで1人の営業員が担当する顧客は資産クラス・年齢・職業がバラバラだったが、顧客をニーズ別に3層にわけ、それぞれの営業員が専門性を生かして活動できるようにした。

永井氏後継の有力候補としては、今年4月に野村HD副社長に就任した奥田氏のほかに、2018年に奥田氏と同時にグループCo-COOに就いた森田敏夫がいた。奥田氏が投資銀行部門を中心に、主に海外で経験を積んできたのに対し、森田氏は国内の支店長を経験し、2012年に野村HDの営業部門CEOに就任。2017年からは野村証券の取締役兼代表執行役社長を務めている。

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