「本末転倒な選考」がまかり通る時代は終わった データで判定、「就活テクニック」も無意味に

東洋経済オンライン / 2019年12月6日 8時0分

「すぐ手を上げなかった学生は不採用」など、”独自の法則”で選考を見極める人は少なくありません。しかしそうした時代は終わりを告げようとしています (写真:Fast&Slow/PIXTA)

今回のテーマは「選考方法」です。

というのも、ここ最近、人事担当者と話している中で、「面接で人の善しあしの見極めはできない」という意見を、耳にすることが増えました。

もともとそう思っていた人もいましたが、このことをハッキリと口にする人が多くなってきたように思います。

その背景には、精度と効率を上げるために、AIなどのデータテクノロジーを取り入れ、入社前と入社後の人材評価のデータから、評価推移の可視化ができるようになってきたことの影響が大きいと感じています。

■面接では評価ができない

そこで明らかになったのは、入社前の面接評価がよかった人材が、入社後、その評価通りに活躍している事例が、それほど多くないということです。

ある大手IT企業で自社の人材を分析したところ、入社前の評価と入社後の評価が一致していた人材は3割程度しかいなかったという話を聞きました。一致する割合は、企業によって違うとは思いますが、私が話を聞いている限り、高い精度で入社前・入社後評価が一致している企業は、とても少ない印象です。

その要因として、入社後の教育や関わりの問題のほうが大きいというケースもあるとは思いますが、話を聞く限り、その企業に合った人材を面接で見極めることができていないケースが多いのです。

ただ、この事実をあからさまにすると、入社前に面接評価した自分自身だけでなく、役職者や役員、社長などの見極めの目を、堂々と否定することにつながります。だからこれまで多くの企業が意図的に表にしてこなかったのかもしれません。

しかし、企業間の競争はますます激しくなる中、働き方改革も推進し、より短時間で生産性を高めるためには、少数精鋭の組織構築を実現しなければなりません。

また、企業には活躍できない人材を雇用し続けられる余裕がなくなってきています。一度雇用すると、解雇することが困難な今の日本では、活躍できる人材を採用する精度を高めることが、ますます求められています。

■旧態依然の選考手法はまだまだ残る

そこで、これまでの選考の実態を明らかにして、客観的事実を基に本質的な改善に着手している企業が増えてきていると感じています。

一方、そのような流れに逆らうように、「俺の見極め方法は正しい」と、根拠が薄い面接や選考方法を、ただ繰り返す人は、まだまだ多くいます。

社長をはじめとして、役員、部責任者など、ある一定以上の立場の人で、「自分は成功者だ」という自覚を持っている人たちの中に、「自分には人を見る目がある」という自負を持っている人が多くいます。そうした人たちの見極め方法は、自身の成功体験にひも付けたある特定の論理をもって、見極めをするのが特徴です。

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