世界のエリートがあえて「借金」を背負う理由 「借金=悪」の常識に縛られると成功できない

東洋経済オンライン / 2019年12月8日 7時40分

学費ローンで有名大学を卒業後、富裕層となっても一括返済せず、毎月コツコツ返し続けているエリートが少なくない。「借金」に対する彼らの合理的な考え方とは?(写真:amadank/PIXTA)

先日、40代のアメリカ人の友人と話したときのこと。彼は、コロンビア大卒の超エリート。30代のうちに一財産を築き、すでにセミリタイアしています。ところが「大学時代の学費のローンを今も払っているんだよ」と言うのです。

「一生かけて返済するつもりなんだ」

貧乏な生活どころか、うなるほどお金がある暮らしをしているはずなのに、どうして学費ローンくらい一括返済しないのか? 彼が毎月コツコツ返済し続けているのには、会計学に基づく理由がありました。

■「借金=悪」と恐れ、「利子=損」と考える日本人

日本では、借金をするのは悪いとか、恐ろしいイメージもあります。逆に「住宅ローンを完済した」とか「積極的に繰り上げ返済している」などというとポジティブなイメージになりますが、これには「借金して利子を払うなんて損するだけだ」という考え方が影響しているように感じます。

しかし、このコロンビア大卒のアメリカ人をはじめ、世界のエリート層は「無借金で、利子のない生活」を好みません。なぜなら、自分の稼いだお金以上の生活はできないからです。

身近な例として、家を購入するとき、キャッシュで買える人はほとんどいないと思います。でも、頭金だけ用意して住宅ローンを組めば、手持ちの現金で購入できないものが手に入るのです。また、「大学に進学したい」という子どもに、「お金がないから無理」という家庭も少なからずあると思いますが、この場合は教育ローンなどを組むことができれば、子どもの希望をかなえてあげられます。ひいては、将来の子どもの職業や収入にも好影響をもたらすでしょう。

借金することをいましめ、節約や貯金に励めば、「お金がある」という安心感を得られるかもしれませんが、貯まっているお金が直接今の生活をよくすることにはつながりません。一方で、お金を手放して借金をすれば、自己資金以上の生活ができる可能性をもたらすのです。

「借金を持つことで、よりよい暮らしを実現する」というのは、会計学に基づいた考え方です。借金など「他人資本」を使い、少ない「自己資本」で大きな収益を上げる。これを「財務レバレッジを上げる」といいます。企業経営においても重要な考え方です。

「財務レバレッジを上げることができない」と指摘されるのが日本企業です。私は、証券アナリストとして世界中の投資家と対話をしてきましたが、「日本企業はキャッシュを持ちすぎている」とたびたび言われました。「日本企業は財務が健全」といえば聞こえはいいかもしれませんが、企業に成長を求める投資家からすると「キャッシュを事業投資に回さない日本企業は成長する気がない」と見られるのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング