米中合意が来年にずれたら株価はどうなるのか 対中追加関税発動の15日を前に神経質な展開

東洋経済オンライン / 2019年12月9日 10時0分

(写真:ロイター/アフロ)

先週の日米等の株価動向は、週前半は軟調で、後半は堅調な展開となった。材料はさまざまで、騒々しい週だったと言える。

■「米中合意はあるのか、ないのか」で二転三転した市場

最も市場をかき回したのは、引き続き米中貿易交渉に関しての部分合意を巡る思惑だった。まず株安材料となったのは、2日(月)にウィルバー・ロス商務長官が、FOXテレビとのインタビューで「(米中間の交渉が15日(日)までに合意できなければ)ドナルド・トランプ大統領は関税を引き上げると明確にしている」と述べたことだった。

さらにそのトランプ大統領が訪問先のロンドンで、3日(火)に「中国との合意を大統領選挙後(2020年11月)まで待つのは良い考えだと思う」と述べたと報じられたため、「今月中の関税引き上げの可能性が高まった」と、市場に動揺が生じた。

というのも、今月15日に予定されているのは「約1600億ドル分の対中輸入について」と金額が大きい。その中身もスマートフォン、ノートパソコン、玩具など、消費財が多く、関税引き上げによる価格上昇が個人消費の打撃になると懸念されるためだ(なお、こうした関税引き上げの可能性はすでに想定されているため、輸入業者は駆け込みでアメリカに輸入し通関している。そのため、そうした価格上昇の影響が出るとしても、先のことになる)。

しかし4日(水)付のブルームバーグ通信は、匿名の事情に詳しい関係者の発言として、「15日に対中追加関税を発動する前に第1段階の合意を完了できる」との見解を紹介したため、一気に市場に安堵感が広がった。

またアメリカの経済指標の内容も、同国の株価を押し下げた後、押し上げる方向に働いた。特に2日(月)発表の11月のISM製造業指数が、10月の48.3から48.1に低下したことが、驚きを持って迎えられたようだ。

前月比でわずか0.2ポイント幅しか低下しなかったのに、株価の悪材料となったことは不思議に感じられるかもしれない。しかし最近のアメリカ(に限らないが)の株式市場では、「株価が堅調なのは、すでに発表された足元の経済統計や企業業績は確かに悪いが、最悪期は過ぎつつあり、これから改善するに決まっているからだ」と、今後の景気指標は良くなるはずとの決めつけが市場で横行していた。

そうした空気のなか、ISM製造業指数も11月は49.2に上昇するとのエコノミスト予想の平均値だった。そうした勝手な期待が勝手に裏切られたため、同指数を受けて株価が反落したと考えられる。

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