長野県駅、リニアの「隣村」で住民は何を思う? 新駅ができる飯田市の東、豊丘村の将来

東洋経済オンライン / 2019年12月11日 7時10分

長野県豊丘村の「福島てっぺん公園」から眺めた伊那谷。正面が飯田市=2019年6月(筆者撮影)

リニア中央新幹線は、静岡県・大井川の水源問題などをはらみながらも建設が進み、2027年の開業に向けて、沿線の開業準備が加速している。

長野県豊丘村は、「長野県駅」(仮称)が設置される飯田市の東隣にある。天竜川が刻んだ“日本一の河岸段丘”の上に位置する、人口6500人弱の村だ。

2017年秋、会員10人ほどの小さな研究会が発足した。観光や産業振興にとどまらず、「リニアのある暮らし」そのものを描こうと会合を重ねている。他方、村内にはトンネル工事がもたらす環境への影響を懸念する人々もいる。

リニアが将来に及ぼす正負の影響を探ろうと模索する、「河岸段丘の村」の横顔を追ってみた。

■村のキャラクターは「だんQくん」

豊丘村は南信州、伊那谷を流れる天竜川の東岸に位置する。近隣の中心都市・飯田は天竜川を挟んだ対岸に当たる。川の両岸には階段状の丘陵地形・河岸段丘が広がり、互いの市・村が段丘面に載っている様子がよく見える。飯田市役所と豊丘村役場の直線距離は約8Kmだ。

長野県環境保全研究所の富樫均氏の論文によると、豊丘村付近の河岸段丘は約10万年前から形づくられた。大きく5段に分かれ、村役場などの主要施設は、天竜川に近い低位段丘上にある。

村のイメージキャラクターは「だんQくん」。村の南東端にそびえる伊那山地の最高峰・鬼面山(きめんざん、1890m)の妖精という設定だ。村のサイトによると、身長と体重は「マツタケ1本分」。全国有数のマツタケ産地という村の特徴をアピールする。かぶった“帽子”のつばは段丘を模し、マツタケのほか、特産のリンゴ、ナシ、市田柿が彩っている。「日本一とうたわれる河岸段丘」(村サイト)のシンボルでもある。

調べてみると、信濃川流域の新潟県津南町、利根川流域の群馬県沼田市などに、「日本一」をうたう河岸段丘があり、観光名所ともなっている。

しかし、地元キャラクターのデザインや名前にも段丘を採用している例は、ほかには見つからない。

地元の人々に接していても、「うちの家の段丘は、君の家の段丘より……」といった会話がごく自然に語られる。「小学生なら誰でも、段丘という言葉を知っているはず」と証言した人もいた。豊丘村の「段丘愛」の強さが伝わってくる。

■研究会は古民家で

筆者は2019年6月、「豊丘村リニア活用戦略研究会」の招きで、初めて村を訪れた。研究会は下平喜隆村長の意向で2017年秋に発足し、村役場が事務局を務める。メンバーは村内の企業経営者や会社員、団体職員ら。約10人という少数精鋭だ。

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