定年間際に貯金ゼロでも安心老後をすごす方法 サラリーマンは「2つの資本」で何とかなる

東洋経済オンライン / 2019年12月14日 7時10分

もうすぐ60歳になるのに、貯金がほとんどない…。老後のために「今やるべき対応策」とは?(写真:sasaki106/PIXTA)

私は仕事柄、各地で50代の人を対象としたセミナーで講演することが多いのですが、最近、こんな質問を受けることがあります。

「私は、まもなく60歳の定年を迎えますが、貯金がほとんどありません。いったいどうすればいいのでしょう?」

財務省の「財務総合政策研究所」が出している『フィナンシャル・レビュー』(平成30年第2号)によれば、金融資産が150万円以下の層は55~59歳で19.71%と、2割近い数字になっていますから、ほとんど貯蓄を持っていない人たちが一定数いることは確かでしょう。かくいう私自身もサラリーマンで定年を迎えたときの預金残高は150万円しかありませんでしたから、この2割の中に入っていたことになります。

普通に考えたら、定年のときに貯金がほとんどないのであれば、「それから先はどうやって生活すればいいのだろう?」と心配になるでしょう。しかも今年は「老後2000万円問題」が話題になりましたから、余計にそう思うかもしれません。でも、あなたがサラリーマンであれば、定年時に貯金がほとんどなくても「資産はゼロ」というわけではないのです。

■貯金以外にも、定年以降の隠れた「金融資本」が必ずある

会社が事業活動をするための元手を「資本」といいますが、この「資本」を個人の場合に置き換えれば、消費活動をするための元手ということになります。個人にとっての資本は2つに分けることができ、「人的資本」と「金融資本」があります。

人的資本とは、わかりやすくいえば「働いて稼ぐ力」です。一方、金融資本は自分が持っている金融資産のことですが、それは貯金だけではありません。公的年金制度も金融資本ですし、サラリーマンであれば企業の退職給付制度は隠れた金融資本です。

公的年金制度の本質は保険です。歳を取って働けなくなった場合、生活するためのお金の一部が死ぬまで支給される、いわば終身の所得保障保険のようなものです。現役の頃から保険料を納めておけば、将来に働けなくなったら所得保障が受けられる権利を手にできる、と考えればいいのです。

一方、企業の退職給付制度は、公的年金制度のような保険とは異なり、「給与の後払い」という性格を持っています。支給の形式によって、退職金になるか企業年金になるかが違うだけで、本質はどちらも給与の後払いです。後払いの退職給付制度を廃止する代わりに「退職金前払い制度」を導入し、現役時代の給料に上乗せして支払っている会社もあります。

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