JR東日本の社長が語る「2020年代の鉄道」の姿 自動運転やチケットレス、駅ナカ海外展開

東洋経済オンライン / 2020年1月1日 7時10分

JR東日本の次世代新幹線開発に向けた試験車両「ALFA-X」(撮影:尾形文繁)

国内最大手の鉄道会社であるJR東日本は、山手線で30番目となる新駅「高輪ゲートウェイ」を2020年3月に開業し、周辺では大規模な不動産開発も控えている。駅ナカ開発や鉄道の海外展開にも積極的で、鉄道業界で今最も注目度が高い会社だ。2020年という1年、さらに2020年代という新たな10年間はどのような方向に進むのか。経営の舵取りを担う深澤祐二社長に聞いた。

■混雑対策はハード・ソフト両面で

──首都圏の混雑対策は?

上野東京ラインの開業によって、山手線の最混雑区間である上野─御徒町間の混雑率を下げることができた。中央線は2023年度末に現在の10両編成にグリーン車2両を増やして12両編成にする。現在そのための駅や線路などの改良工事中だ。最近では出勤時間を自由に選べる、在宅勤務ができるといった働き方が広がってきた。ピーク時間帯を避けて鉄道をご利用された方にポイントを付与するような施策も、当社は実施してきた。こうしたハード、ソフト両面の対策をミックスしながら混雑率を下げていきたい。

──今後10年で実現しそうな新技術は?

次世代新幹線を開発するプラットフォームとしてALFA‐X(アルファエックス)という試験車両を走らせている。スピードアップと同時に安全に停止できなくてはいけないし、騒音対策などの環境性能の向上も重要だ。2022年3月まで走行試験を行い、2030年度末の北海道新幹線の札幌開業までに実現させたい。

在来線では、すでに実用化されている自動運転の技術を運行管理と結び付けて、列車が遅れたときに前後の列車間隔を詰めるような運転をするなど、効率的な運行につなげていく。また、自動運転の技術をドライバーレスの段階まで持っていきたい。

Suica(スイカ)は2020年3月に新幹線のチケットレス乗車サービスを開始する。すでに東海道・山陽新幹線で行われており、お客様から見るとサービスが似ているが、将来的には今スイカが使えない在来線特急や地方路線などもチケットレスにしたい。実現すれば、お客様が紙の切符を買うために窓口に並ばなくて済むようになる。

──2017年12月に英国の鉄道運営事業に進出しました。“日本流”は根付きましたか?

根付くというところまではいっていない。日本の鉄道は時間に正確だとよくいわれるが、英国の鉄道は列車の運行と、駅や線路などのインフラ管理とを別々の会社が行っているので、われわれが行っているような鉄道運営の仕組みとは違う。そこに日本と違う難しさがある。なお、日本は清掃レベルの高さにも定評があるので、こうしたノウハウを提供してお客様満足度を高める取り組みは、現在具体的に行っている。

■国際鉄道人材の育成に力

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