カレーのジャンルがやたら「細分化」している訳 スパイスカレーに続く2020年注目カレーは

東洋経済オンライン / 2020年1月3日 7時20分

刺激的な新ジャンルが続々登場。2020年は何がくるのか。写真はスリランカカレー店「ザ ライオン ロック」のカレー(筆者撮影)

スパイスカレーに、スープカレー、スリランカカレー、ベンガルカレー……。

近年、カレーのジャンルの多様化・細分化が著しい。インドカレーに絞っても圧倒的多数の北インド料理に加え、進境著しい南インド料理、さらには東インド料理(ベンガル料理)や西インド料理の専門店まであって驚かされる。

なぜこうしたカレーの多様化・細分化が進んでいるのか。カレー文化の成熟と言ってしまえばそれまでだが、それにしてもここ何年かで、その動きは加速しているように感じる。

「2006年頃に1つのターニングポイントがあったんです」と話すのが、インドのローカルなカレーが日本でまだほとんど知られていなかった1990年代から、著書などでその魅力を紹介してきた料理研究家・渡辺玲氏だ。

■南インド料理ブームがきっかけ

「確かに昔はカレーのジャンルといえば日本のカレー、欧風カレー、インドカレー、そしてその他エスニックカレーといった3~4つぐらいのくくりで語られることがほとんどでした。それが最近はテレビや新聞など大衆向けのメディアでも、スパイスカレーや〇〇インドカレーなど、細分化されたジャンル名を普通に目にするようになりました。

その背景には複合的な要因が考えられますが、インドとその周辺国の料理に関しては、きっかけの大きな1つとなったのが、2006年頃から起こった南インド料理ブームではないでしょうか」(渡辺氏)

南インド料理はそれまで、日本ではほとんど知られない存在だった。しかし2006年頃から、「巷で主流のこってりした北インド料理に比べ、南インド料理はサラッとしていて野菜豊富でヘルシー、色彩豊かで、ごはんで食べる」といった文脈で、雑誌『dancyu』をはじめメディアに取り上げられるようになる。数えるほどしかなかった南インド料理専門店の中から、東京のダバ インディアなど大成功する店も出始める。

以降、南インド料理専門店は年々増えていき、今や都内だけで50店以上もある。

2010年代に入ると南インド料理以外にも、ネパール料理、スリランカ料理、パキスタン料理、さらには東インド料理、西インド料理など、それまではほとんど目立たなかったインドおよびインド周辺国のローカル料理の専門店も増えていった。

「南インド料理の成功により、よくある北インド料理以外にもインド料理にはフォーマットがあるんだと、気づいた人が多かったのでは。同時に、そうしたマイナーでディープな料理の面白さを理解できる人が増えた。だからこそ、ほかのローカル料理も受け入れられていったのだと思います」(渡辺氏)

■本音を言えば、“故郷の味”で勝負したい

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