中学受験「2日連続撃沈」した少年の怒涛の結末 淡々と塾に通った穏やかな息子が絶叫した

東洋経済オンライン / 2020年1月10日 7時30分

埼玉県に住む親子が体験した過酷な中学受験とは?(写真:筆者撮影)

中学受験が今年も大詰めを迎えている。ここ首都圏では、12月から始まった千葉の入試を皮切りに、1月には地方中学の東京入試もスタート。最も多くの受験生が挑戦する2月の入試へと突入していく。

インターネットを使っての出願、合格発表が一般化して久しいが、便利さとは裏腹に、受験生側の受験時期の忙しなさは増しているように感じる。

高校でも大学でも受験は過酷だ。だが、中学受験を受けているのはまだ幼い11~12歳の子どもだ。思春期を迎える時期の子も多く、試験問題の格闘とは別に、己の心との戦いも制していかなければならない。

埼玉県在住の伊藤柚月くん(仮名・中学1年生)は昨年の今頃、まさにそうした心の浮き沈みを経験していた。「無理だったんだよ!」と彼が泣き叫んだ日のことを、母親の知美さん(仮名)は今も鮮明に覚えている。

■夢に近づくために、都内の私立へ…

柚月くんが中学受験を目指しはじめたのは、小学3年生の2月のこと。母親の勧めで四谷大塚に通いはじめたのがきっかけだ。柚月くんの通学していた小学校で受験をしたのは彼を含めて数人で、受験をするほうがまれという地域。ではなぜ、母親は中学受験という選択をしたのだろうか。知美さんに話を聞くと、こんな答えが帰ってきた。

「私も同じ埼玉県出身なのですが、私自身が子どもの頃に母親から中学受験を勧められたことがありました。そのときは、地元の友達と同じ学校に行きたくて、”受験はいやだ”と挑戦しませんでした。

でも、下の兄弟が私立へ進んだのを見て、私も行っておけばよかったなと思っていました。あのとき、親がなぜ受験を勧めたのか、今はわかる気がします」

もちろん、地元の中学でもそれなりに楽しい中学時代を過ごしたであろう知美さんだが、いざ子育てをしてみると、私立に魅力を感じるようになったと話す。

「息子は将来医者になりたいという夢を持っています。少しでも医学部に近づける道をと考えたとき、やはり、東京の私立に行かせたいと思うようになりました」

はじめはあまり乗り気でなかった父親の健二さん(仮名)も、そんな知美さんの意見に徐々に引き寄せられていった。知美さんと同じく埼玉県出身の健二さんは、実は慶應大学系の中学の出身で、中学受験の経験者。受験をすると決めてからはとても協力的だった。

「受験をするなら伝統校がいいだろう」というのが健二さんの意見。伝統校の場合、OBとの繋がりも厚いため、大人になってからもなにかとよかったというのが社会の第一線で活躍する父親としての意見だった。

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