「英語力」は入社後の環境と努力で何とでもなる 留学やTOEICも不要なグローバル企業の実例

東洋経済オンライン / 2020年1月22日 11時0分

英弘精機が製造する気象計測機器は世界中で使われている。広帯域分光放射計でシェアトップのグローバル企業だが、入社前の英語力はあえて問わない(写真:英弘精機)

英語が得意でなくても、将来英語を使って仕事をしたり、海外で働いてみたりしたい、という学生は少なくない。こうした学生は就活を始めてから「英語だけでも勉強しておけばよかった」「留学すればよかった」と後悔し、結局はグローバル企業を受けることを諦めてしまう事が多い。

しかし、学生時代の英語力が低いと、グローバル企業に入社できないのだろうか。たとえ入社したとしても、グローバルな業務を担当することはできないのだろうか。

今回は英語力に関係なく新卒採用し、社員をグローバルなビジネスマンに育てあげている英弘精機について、就活間近の学生3人が取材した。

■TOEICのスコアは採用基準に入っていない

英弘精機は太陽の日射を計測する「日射計」、赤外放射や紫外放射を計測する「放射計」などの気象計測機器を、製造・販売している。ニッチな分野だが、世界シェアトップの企業だ。アメリカの気象庁にあたるアメリカ海洋大気庁(NOAA)に日射計が納入されているのをはじめ、気象計測機器は世界中で使用されている。

近年では太陽光発電分野にも注力しており、太陽光発電パネルの発電効率や動作状況を評価する機器の開発などにも取り組んでいる。こうした機器の需要は世界中で高まるばかり。英弘精機はオランダや香港、インドに拠点を抱えるグローバル企業なのである。

英弘精機では新卒採用時に英会話の堪能な学生を採用しているわけではない。TOEICのスコアは採用基準に入っていない。が、ほとんどの社員が日常的に英語を使い、仕事をしている。留学経験もなければ、英語が得意でもない学生を、いかにグローバル人材に育成しているのか。取材したのは、就職活動を控えた明治大学政治経済学部3年の杉森奈々子さん、同大学商学部3年の大亀雅秀さん、同じく商学部3年の松元誠悟さんだ。

社内で英会話クラスを開講したのは2010年。週に1回で2時間、定員6人の少人数クラスだ。基本的な日常会話を学ぶ初級クラスと、実践的なビジネス英会話を学ぶ中級クラスとの2クラスで構成されている。授業を担当しているのはネイティブの講師である。

新入社員は全員が受講することになっているが、そのほかの社員に関しては希望者を対象としているため、受講者のモチベーションは高い。講師は生徒の目的、希望を酌んだカリキュラムを作成しているが、とくに目新しい内容ではない。

まず、英語教育への取り組みについて、英弘精機の長谷川壽一社長を学生3人が直撃した。

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