田舎暮らしで「失敗する人」と「成功する人」の差 多くが決断できない狭き門で楽しむ極意

東洋経済オンライン / 2020年1月24日 7時30分

田舎暮らしに憧れがあったとしても、実際に住むとなるとさまざまなハードルがあるという(写真:Fast&Slow/PIXTA)

都会を逃れて田舎暮らしに憧れる人は少なくない。改めてそう感じたのは、「40代男性『生活費8000円』田舎暮らしで得た快感」への予想外の反響の大きさからだった。8000円という数字に注目が集まった側面もあるが、資本主義システムが中心の都会からの離脱や田舎への憧れがあったことは確かだろう。

だが、田舎暮らしはそんなに甘くないと言われている。「田舎暮らしの相談に来たり、古民家を見に来たりした人の99%は、その後に音沙汰がなくなってしまう。都会の人たちは田舎暮らし病にかかっているようだ」と明かすのは、静岡県内で古民家物件の紹介や地域振興に取り組む男性だ。

実際に都会から田舎への移住を決断できるのは、男性の弁によると、相談者のわずか1%の狭き門ということになる。田舎への移住が実現したとしても、移り住んだ集落での人間関係に疲弊したり、刺激の少ない田舎暮らしに飽きたりして挫折する人もいる。田舎暮らしで成功する人と失敗する人の差はいったい、どこにあるのだろうか。

■古民家探しの現実は甘くない

筆者も「田舎暮らし病」にかかってきた1人だ。子どもの頃から豊かな自然のある広々とした土地で、趣味の釣りやカヌー、土いじりに興じながら、のびのびと暮らしたいと願ってきた。だが、古民家探しの現実は、そう甘くはない。

まず家族の間で意見を一致させるのがなかなか難しい。田舎暮らしそのものに反対されたり、移住先の条件でもめたりする。子どもの教育問題もある。それなりの給与が保証された会社に勤めている人なら、なかなか早期の退職という決断には至らないだろう。

20年以上も古民家を探し続け、各地に通って巷間言われているような田舎暮らしの大変さや失敗談も多く聞いてきた。

移住者が自治会に入れずに数キロも自動車で走ってゴミ出しに行かなければならない不条理や、高額な水道加入金、自治会の会合や祭りなど地元行事への参加に伴う負担感、地元住民からの突き刺さるような視線、果てしない雑草との闘い、畑を荒らすシカやイノシシ、サルとの知恵比べ――。田舎への移住を躊躇させる材料は枚挙にいとまがない。

日本各地の田舎では空き家が目立つ。物件探しは簡単に進みそうだが、実際に足を運んで古民家を内見してみると、湿気や経年劣化で傷みがひどく、物件自体は安くても改修費用に数百万円かかる場合が少なくない。地域によってはシロアリ被害も多いといい、理想的な住みか探しは、なかなか簡単に進まないのが実情だ。

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