トランプ後も変質続く「アメリカ流同盟関係」 「日米同盟一辺倒」はどこまで維持できるか

東洋経済オンライン / 2020年3月17日 7時45分

写真は国連総会に合わせて実施された2019年9月の日米首脳会談(写真:AP/アフロ)

アメリカのトランプ大統領が就任して間もないころ、外務省幹部らは異口同音に「日米同盟関係は不動である」と自信をもって語っていた。というのも、大統領就任から間もない2月初め、安倍晋三首相が訪米し、トランプ大統領とともに日米同盟の重要性を確認した共同声明を公表したからだ。

首脳会談後に公表されたこの声明は冒頭で、「揺らぐことのない日米同盟はアジア太平洋地域における平和、繁栄及び自由の礎である。核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類のアメリカの軍事力を使った日本の防衛に対するアメリカのコミットメントは揺るぎない」と高らかに歌っている。

続いて、尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の対象であることを明記し、中国が軍事基地化を進める南シナ海については「緊張を高め得る行動を避け、国際法に従って行動することを求める」と中国を牽制。北朝鮮に対しても「核及び弾道ミサイル計画を放棄し、更なる挑発行動を行わないよう強く求める」という文言が盛り込まれた。

■日本もトランプ大統領の「標的」に

世界中の首脳らが不安や懸念を抱きながらアメリカの新政権を見つめている中、日本の外務省幹部は「政権発足直後でアメリカ側の体制が整っていなかったこともあって、日本の要求はことごとく宣言に盛り込まれた。これ以上ない100点満点の共同声明だ」「これでトランプ政権になっても日米同盟関係は盤石だ」と誇らしげに語っていた。

ところが今、彼らにあのときのような高揚感はない。中国をはじめ貿易赤字国に対する関税引き上げという強硬手段を打ち出した後、トランプ大統領が次にとったのは、同盟国に対する軍事費負担の増額要求だった。日本がその標的の1つの国であることは言うまでもない。

最も信頼関係があるとされている安倍首相に対しても、トランプ大統領は在日米軍の駐留経費について「日本は我々を助けなければならない」「日本はお金を持っている。裕福な国だ」などと負担増を求めている。

日米安保条約によってアメリカ軍が日本に駐留しているが、それに伴って基地の賃借料や基地周辺対策などの費用は日本が義務的に払うことになっている。ところが1970年代以降、日本政府は通称「思いやり予算」という名目で日本人従業員の手当の一部を負担し、後には基本給のほか、アメリカ軍の住宅や娯楽施設などの整備費も負担するようになった。

あれやこれや合計すると5800億円(2019年度)も負担している。この金額は同盟国の中でも突出して多い。日本政府がどれだけ負担するかについて日米間で5年に1度、見直しをすることになっており、次は2021年3月末が期限となっている。

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