「King Gnu」の音楽が別格的人気を得た理由 「上手くて美味くて巧い」音楽性の魅力

東洋経済オンライン / 2020年3月21日 9時40分

2019年2月28日に公開されたKing Gnuの楽曲「白日」は公開1年で1億7000万回以上再生されている(画像:King Gnu official YouTube channelより)

東洋経済オンライン読者でも「King Gnu」の文字列を見て「キング・グヌー」と誤読する人は、さすがにもう少ないだろう。

昨年『白日』が大ヒットし、NHK『紅白歌合戦』にも出場。1月15日に発売されたニューアルバム『CEREMONY』も大ヒットと、今や日本の音楽シーンを制圧した感のある「キングヌー」(動物の「ヌー」から命名されている)である。

今回の「月間エンタメ大賞」では、King Gnuの魅力を分析してみたい。その魅力とは「上手くて美味くて巧い」音楽性だと、私は考える。

■彼らの持つ音楽家としてのテクニック

まず注目するのは「上手さ」である。音楽家としての確実なテクニック。

メンバーの経歴で目を見張るのは、作詞・作曲を担当する中心メンバー=常田大希と井口理が東京芸術大学出身という事実。

ボーカル担当の井口理が声楽科出身というのはともかく、常田大希は何と音楽学部器楽科チェロ専攻で、ニューアルバム『CEREMONY』のクレジットでも、担当が「ギター、ピアノ、チェロ、コントラバス、プログラミング&ボーカル」だから忙しい。

ほかのメンバーについても、2月23日放送のTBS・MBS系『情熱大陸』では、ドラムスの勢喜遊が、昔から通っている六本木のバー「Electrik神社」でセッションに参加している姿や、ベースの新井和輝が地元・福生のバーで「俺の音楽の生みの親」と表現するギタリスト・斎藤デメらとの演奏に興じる姿を映し出していた。

平成の音楽シーンは「テクニック冬の時代」だった。演奏技術はデスクトップへの入力データに置き換わった。しかしその反動で、フェスブームなど生演奏への渇望が発生、しっかりとしたテクニックで、音楽を奏でられるバンドが求められることとなった。King Gnuは、クラシックやジャズの素養も活かして、そのニーズに真正面から応えている。

驚いたのは、昨年末『紅白歌合戦』で生演奏を披露したことだ(井口理がラジオ番組で「生演奏」だったと明言)。最近の『紅白』は、さすがに「口パク」は少ないものの、演奏に関してほとんどがカラオケなのだが、そんな中、生演奏に果敢に挑んだ彼らの姿に、演奏テクニックへの確かな自信を感じたものだ。

しかし、それだけだとここまでの成功に至らなかったはずだ。私が注目するのは、彼らの音楽の「美味さ」、つまり普通の音楽ファンにも、食べやすく/取っつきやすく仕上げている点である。

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