コロナが追い打ち、路線トラックを襲う三重苦 運賃の値上げで進む「路線トラック離れ」

東洋経済オンライン / 2020年3月26日 7時0分

路線トラック各社は消費税増税やコロナウイルスの影響に苦しんでいる(記者撮影)

不特定多数の荷主から集めた荷物を中長距離で運ぶ路線トラック各社の業績下方修正が相次いでいる。

最大手のセイノーホールディングス(セイノーHD)は2月、それまで売上高6360億円(前期比2.8%増)、営業利益328億円(同5.1%増)としていた2020年3月期の通期業績予想を、それぞれ6260億円(前期比1.2%増)、296億円(前期比5.2%減)に下方修正した。例年、繁忙期である10~12月の積載率(最大積載重量に対する実際に積載した重量の割合)は94~96%程度だが、2019年10~12月の積載率は9割を割ったという。2019年12月の荷物量も前年同月比約6%減と、想定を大きく下回った。

■コロナ対策で荷動きが急減

路線トラック中堅の名鉄運輸も2月に業績予想を下方修正した。2020年3月期の売上高は1170億円(前期比0.9%増)と期初予想を据え置く一方で、営業利益を期初の49億円(前期比0.1%増)から44億円(前期比10.1%減)へ引き下げた。

2月時点では荷物量がやや回復傾向にあり、「消費者による買いだめでレトルトカレーのような加工食品などの輸送が増えた」(セイノーHD)、「マスクやトイレットペーパーなどの荷物量が急増した」(福山通運)という。

3月に入ってもこの勢いは変わらず、ユニチャームなどの日用雑貨を請け負う中小の路線トラック会社は、2週間分の荷物をわずか2日間で店舗に向けて配送したという。

しかし、新型コロナウイルス対策で外出などを自粛するムードが広がったことを背景に、「3月の途中から日用品に加えてアパレルの荷物量も落ちたため、再び荷動きが鈍化した」(福山通運)。百貨店などの販売が急減した影響を受け、上げ潮モードは一気に沈静化した。

路線トラック各社はそもそも、2019年10月に実施された消費増税の影響を受けて厳しい局面に立たされていた。消費増税後の個人消費の落ち込みを受け、荷物の輸送量も急減。国土交通省によると、2019年10~12月期の路線トラックの荷物量は前年同期比で5.4%減となった。

日本経済と荷物量の分析・予測を専門とする日通総合研究所の佐藤信洋プリンシパルコンサルタントは、「消費増税で日本経済全体が景気後退入りした。路線トラックの荷物量は、2011年の東日本大震災直後以上の落ち方をしている」と指摘する。

■3PLに活路求める

大手路線トラック4社のうち、トナミ運輸の親会社であるトナミホールディングスと福山通運は業績予想を変えていない。福山通運は2020年3月期の営業利益は202億円(前期比3.7%増)と増益を見込んでいる。だが、同社の桑本聡常務執行役員は「消費税増税と暖冬で荷動きが想像以上に悪く、2021年3月期の上期までは苦しい局面が続きそうだ」と危機感をあらわにする。

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