中国と韓国の感染抑制に見た「都市封鎖」の表裏 「マスク不要論」は中国専門家トップが否定

東洋経済オンライン / 2020年4月7日 7時50分

中国政府専門家チームのトップを務める鍾南山 ※1月22日撮影(写真:財新記者 梁莹菲)

新型コロナウイルス対策で中国は「都市封鎖」に踏み切ったが、韓国は実施しなかった。両国の専門家の間では見解が食い違っている。「マスク不要論」を全否定する意見も飛び出した。

「複数の国で感染が急速に拡大し、感染者は1日で1万人も増加している。これは大きな問題だ」

4月2日、中国工程院院士(訳注:理系研究者最高の栄誉とされる)の鍾南山は、新型コロナウイルス感染予防に関する国際会議でそう語った。

「もし一部の国が爆発的な感染拡大のコントロールに失敗すれば、全世界に災いをもたらすことになるだろう。私が最も心配しているのはこのことだ。

患者が極端に増えれば、医療システムに巨大な負担をもたらし、ベッドや医療施設、医療従事者の不足を招き、さらにひどい悪循環を生み出す可能性がある。

無症状の感染者にも感染力がある。2種類の無症状感染者にいっそう注意するべきだ。感染者の濃厚接触者と、感染拡大地域から来た者である」(鍾南山)

■武漢は都市封鎖後4週間で基本的に終息

鍾南山は1月20日に、新型コロナウイルスが「ヒトからヒトへ」、医療従事者にも感染していると公表した人物だ。

「当時、中国政府は二者択一を迫られていた。抑制策を取るか、緩和策を取るかだ。抑制策をとれば、経済に大きな傷をもたらすのは明らかだった。だが、新型コロナウイルスの感染力は強い。”緩和”は有効だっただろうか?

政府は最終的に抑制策を選択した。まず1月23日に、(湖北省)武漢を封鎖。武漢に行くことも、武漢を離れることも禁止した。同時に、感染者数と感染の疑いがある患者数をリアルタイムに公開し始めた。早期予防、早期発見、早期診断、早期隔離を末端まで徹底させ、すべての濃厚接触者および無症状接触者に対して、PCR検査を直ちに実施した」(鍾南山)

中国における新型コロナとの闘争を、鍾南山は次のように総括する。「1月23日に抑制策を開始し、感染者数は約2週間でピークに到達。その2週間後に減少し始めた。4週間で基本的にコントロールできたことになる」。

一方、マスクの着用が有効かについて論争が続いている。

マスクをしたとしても、感染者から他の人への感染を防げるだけだと主張する人もいるが、鍾南山の考えはノーだ。「新型肺炎の予防のカギは、距離を取ることとマスクを着用すること。マスクは、自分を感染から守るうえで重要だ」と話す。

なぜマスクが必要なのか? 鍾南山は、「マスクを着用することで、飛沫感染という主要な感染経路を遮断できる」と語る。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング