「コロナ軽症者に1万床」日本財団が動いた背景 所有する施設を一時滞在施設で提供へ

東洋経済オンライン / 2020年4月7日 7時25分

日本財団パラリンピックサポートセンターが運営する日本財団パラアリーナ(写真:パラサポ)

新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都の1日の感染者数が4月4日、5日には3桁に達し、6日には新たに83人の感染が確認された。

東京都ではすでに感染者を治療するための病院の病床(当初700床)がほぼ満杯になった。そのため1000床に拡大し、軽症や無症状の感染者を隔離・滞在する施設として、ホテルの借り上げなどさらに「1000床を確保している」といい、7日から受け入れを始める。

そんな中、公益財団法人日本財団が4月3日、品川区の「船の科学館」敷地内にある「日本財団パラアリーナ(以下、パラアリーナ)」と周辺、茨城県つくば市にある所有施設に、約1万2000床の軽症者の受け入れ施設をつくることを発表した。

建設費用なども含めて、すべて日本財団が整備する。会見した笹川陽平会長は「患者数は日に日に増加しており、政府や行政が努力することは当然のことですが、国難を乗り切ることは難しい。できることなら大企業などはさまざまな施設や遊休地があるのでご提供いただいて、国民レベルで一致団結して乗り切る必要があるのではないかと考えています」と話した。

■4月中に1200床を確保する

まず、4月中にパラアリーナ周辺に大型テント9棟を建て、パラアリーナも利用して約1200床を確保する。既存施設を解体するつくば市では7月末から約9000床の受け入れを開始できる予定だという。

「船の科学館」の駐車場は広大な敷地。周辺も加えて、2250平方メートルの大型テント1棟に、800平方メートル、600平方メートル各4棟を作る。

医師や看護師の宿泊、休憩場所なども設置する。テントといっても基礎を作り、鉄骨も入れた強固なもので、風速30メートルでも大丈夫だという。

隣接するパラアリーナは、日本財団傘下のパラリンピックサポートセンター(パラサポ)が運営している。何度か取材に行ったことがある。ここも「病床」として利用する。

笹川会長はパラサポの山脇康会長と協議。「パラアスリートの方にも連絡を取っていただき、最大限協力すると快く明け渡していただくことになりました」という。

東京パラリンピックが1年延期になり、現在は外出自粛要請もあって練習もままならない状態ではあるが、練習再開となってもこの施設が使えるかどうかはわからない。その中で「みんなのために」というパラアスリートたちの思いには頭が下がる。

山脇会長は「2018年6月1日より運営を開始し、これまで稼働日率ほぼ100%で活用されてきました。パラスポーツの日常的な練習のためにご活用いただいているアスリートの皆様には、パラアリーナを一時的に閉館するという今回の決定により、皆様の日常の練習に多大なご迷惑をおかけすることになり大変心苦しく思っております。

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