セブン&アイが頭を悩ます「お荷物事業」の行方 見えぬ次の成長柱、グループ再編待ったなし

東洋経済オンライン / 2020年6月18日 8時0分

新型コロナウイルスの影響で5月の既存店売上高が大きく落ち込んだイトーヨーカ堂(記者撮影)

コンビニエンスストアやGMS(総合スーパー)、百貨店など、国内小売り大手のセブン&アイ・ホールディングスの主要事業会社の5月営業実績が出そろった。

グループ会社の中で落ち込みの激しかったのは、GMSのイトーヨーカ堂と百貨店のそごう・西武だ。イトーヨーカ堂の5月の既存店売上高は、前年同月比16.8%減。新型コロナウイルスによる外出自粛の影響から衣料品の販売が減少し、テナントの休業により賃貸収入も減少した。

そごう・西武の5月の既存店売上高は、同66.3%減まで落ち込んだ。食料品を除く売り場を休業したことが大きく響いた。全店で全面的に営業を再開したのは5月28日だったこともあり、挽回できなかった。

■リストラを一層加速

グループの中核事業である国内のセブン-イレブンも、観光地やオフィス街での売り上げが低下した結果、5月の既存店売上高が同5.6%減となった。

セブン&アイHDはこれまで、不採算店舗の閉店を中心としたリストラを徹底することで、経営の効率性を高めてきた。しかし、井阪隆一社長は4月9日に行われた決算説明会で「新型コロナウイルスを契機に、顧客の行動がガラリと変化する可能性がある」と述べ、経営環境が大きく変わることへの危機感をにじませ、今期の業績見通しの公表を見送った。セブン&アイHDは今後、リストラを一層加速しそうだ。

もっとも、セブン&アイHDの決算は決して悪いものではなかった。2020年2月期の営業利益は4242億円(前期比3.1%増)、純利益も2181億円(同7.5%増)と、いずれも過去最高を更新。収益性を測る指標の1つであるROE(自己資本利益率)は8.5%(2020年2月期、以下同)で、ライバル・イオンの2.5%を大きく凌駕している。

ROEは、効率的に資産を使っているかを示す「総資産回転率」と収益性を測る「売上高純利益率」、負債の活用度を表す「財務レバレッジ」の3つに分解できる。イオンは財務レバレッジがセブン&アイHDよりも高い一方で、総資産回転率は0.77回、純利益率は0.3%にとどまる。これに対し、セブン&アイHDはそれぞれ1.1回、3.2%とイオンを上回っており、これがROEの差につながっている。

セブン&アイHDの資産効率が良いのは、過去に実施したリストラが寄与しているためだ。そごう・西武では不採算店の撤退だけでなく、2017年にはそごう神戸店(兵庫県神戸市)と西武高槻店(大阪府高槻市)の2店舗を、阪急阪神百貨店を展開するエイチ・ツー・オーリテイリングに譲渡した。

■高い利益率を支えるセブン‐イレブン

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