3年半ぶりの減収、メガ損保に漂うコロナの暗雲 旅行保険が急減、代わってネット損保が急伸

東洋経済オンライン / 2020年6月19日 7時5分

新型コロナウイルスの影響で自動車保険などが落ち込み、損保各社の経営を直撃している(写真:今井康一)

新型コロナウイルスの影響を受け、損害保険会社の売り上げが急激に落ち込んでいる。

緊急事態宣言下にあった5月の収入保険料(元受正味保険料)は、大手損保4社(東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保)全社が前年同期比でマイナス。全社が減収になるのは、2016年9月以来、3年8カ月ぶりのことだ。

2016年当時は、火災保険料の値上げに伴う駆け込み需要が2015年9月にあり、その反動減という一過性のものだった。新型コロナによる経済の冷え込みがいつまで続くのか先が見通せない中での減収で、今回の事態はより深刻だ。

■2020年度は通年でも減少に

現在の3メガ損保グループ体制となった2010年度以降、収入保険料は緩やかに拡大基調にあったが、コロナの影響で2020年度は通年でも減少に転じる可能性が高くなってきた

損保各社が発表した営業成績速報によると、5月の収入保険料は東京海上日動が前年同期比5.0%減、損保ジャパンが同7.7%減、三井住友海上が5.4%減、あいおいニッセイ同和が2.1%減となった。

4社合計の減収額は約310億円で、全社の2019年5月の収入保険料約5600億円から5.5%減った。そのうち自賠責保険の減収分が約240億円を占めた。

自動車にかける強制保険である自賠責保険は、新車購入時や車検の際に加入することが多い。自動車事故の減少を反映し、2020年4月に自賠責保険料率が16.4%引き下げられたことや、新型コロナ対応で車検の有効期間を7月1日まで延長された影響もあるが、ディーラーの営業自粛などで新車が売れなかった影響がやはり大きい。

東京海上日動は「新車購入時の自賠責保険に限ると、5月の収入保険料は例年の半分以下になっている」(広報部)と説明する。

海外旅行が制限されたことで、旅行傷害保険の販売も落ち込んだ。

損保各社は「5月の海外旅行傷害保険の契約件数は前年同期比で95%以上の減少、国内旅行傷害保険も90%以上の減少になった」と口をそろえる。旅行需要が回復しなければ、減収基調は続きそうだ。

企業活動を支える新種保険や海上保険もふるわない。損保商品は企業の設備や生産物、経営者や従業員を守る賠償責任保険などにかけられ、事業活動が活発であればあるほど保険料収入は増える。コロナで生産や物流がストップし、設備投資も止まっている状況で損保の需要は発生しない。

特に、企業向けの賠償責任保険などの新種保険は、企業の前年度の売上高をもとに保険料が算出されるケースが多く、コロナの影響で売上高が落ちれば、保険料も安くなってしまう。

■厳しい自動車保険の先行き

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