2020年年金改革は野党炎上商法の潮目になるか コロナ下での与野党協議が示した年金の未来

東洋経済オンライン / 2020年6月20日 7時10分

これに対して、与野党ともに、基礎年金と厚生年金のバランスがズレてしまうことによる所得再分配機能の弱体化は意識しているのであるから、その問題を解決するための本筋である基礎年金の被保険者期間の延長をともに目指し、その実現に必須となる財源調達(国庫負担分)の議論を建設的にやっていこうという方向にいなしていって、協議成立に至ったとみることができる。

筆者自身も、与野党協議が残した年金の未来の姿を、これから繰り返し読んでいくことになるのだと思う。

与野党の協議から生まれた修正・附帯決議とそれに関する若干の説明は、「令和2年年金改革・与野党協議事項」を参照してほしい。年金に興味のあるセミプロ以上の人たちには参考になるはずだ。

■本当に潮目になるかは「人」次第

はたして、2020年年金改革は、長年、不毛な対立をしかけ、日本の政治そのものを疲弊させてきた旧民主党議員たちの主戦場、年金政治の潮目になるのか。それとも、法律や国会決議として残されたこれらの文言について、かつての社会保障・税一体改革のときの3党合意のように、「あれは間違いだった」と言う者が出てくる運命を辿るのか。

与野党の修正案を国会に提出して成立させるためには、手続き上、野党は修正案・対案を取り下げなければならない。ゆえに今回、野党は自分たちの修正案・対案を取り下げたうえで、与野党修正案を国会に提出して、その修正案に賛成していた。彼ら野党は、それを忘れることが、将来、本当にないのか――それもこれも、やはり、人次第ということになるのであろう。

権丈 善一:慶應義塾大学商学部教授

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