夫を「主人」と呼ぶ人に感じるモヤモヤ感の真因 経済力がある、若い女性までなぜ使うのか

東洋経済オンライン / 2020年6月24日 7時50分

夫のことを、他の人の前であえて「主人」と呼ぶ若い世代も増えているようです(写真:xiangtao/PIXTA)

アンジャッシュの渡部建氏の浮気報道に対し、妻の佐々木希氏が6月12日、自身のインスタグラムで「この度は、主人の無自覚な行動により多くの方々を不快な気持ちにさせてしまい、大変申し訳ございません。今回の件について、夫婦でしっかりと話し合いをしようと思います」と謝罪のコメントを出した。

パートナーの浮気が発覚した際、浮気されたほうがどう対応するかは、その人が決めることだから、そこに口を挟むつもりはない。しかし、佐々木氏のコメントには、違和感がある。それは、令和の今、女性が夫を「主人」と呼ぶことだ。経済力がある、30代の売れっ子芸能人の発言としては時代遅れな感じを受ける。

佐々木氏の「主人」という呼び名に違和感を持つ人は少なからずいて、ツイッターでも話題となり、一方では「フェミニストによる“言葉狩り”」「自分も対外的には主人と呼んでいる」と賛否両論が巻き起こった。最近、若い世代であえて「主人」と呼ぶ人が目立つ傾向もあるようだが、この機会に現代女性が「主人」と呼ぶ違和感の原因を考えてみたい。

■主人という言葉が意味すること

テレビを観ていると、夫を指す「主人」という言葉は相変わらずよく耳にする。一方で、近年はパートナーを「夫」「旦那」「ツレ」「相方」などといろいろな呼び方をする女性も増えた。映画化もされたヒットマンガ『ツレがうつになりまして。』は、妻が描く夫の話で、夫を「ツレ」と紹介している。夫の呼び方は変わってきており、もしかすると今は過渡期なのかもしれない。

主人という言葉は、一般的にどういう場面で誰を指すのか改めて考えてみよう。ウエブ辞書「デジタル大辞泉」によると、主人の使い方は4通りある。1つ目は、「家の長。一家のぬし。また、店のぬし。あるじ」。2つ目が「自分の仕える人。雇い主など」。3つ目が「 妻が他人に対して夫をさしていう語」。4つ目が、「客を迎えてもてなす立場の人」である。

カップル以外では、雇い主と使用人の関係で「主人」と呼ぶ1つ目と2つ目が、よく使われる。メイドカフェなどでも、メイドを演じる従業員が客に「お帰りなさい、ご主人様」などと呼びかける。夫婦の間で主人という言葉を使う際に違和感があるのは、こうした金銭が絡む上下関係を連想させるからではないか。

では、夫婦の間で、「主人」と呼ぶことが定着したのは、いつなのだろうか。そのヒントが、1917(大正6)年の『主婦之友』(1954年1月号から『主婦の友』)創刊号にあった。「何といつて良人を呼ぶか」というアンケートに対し、セレブの妻たちが回答を寄せている。文学博士の妻は、家庭内で夫を呼ぶときは「アナタ」、他人に対しては「主人」と呼ぶ。学校教頭の妻は、他人に対して「宅の主人」と呼ぶ。夫の名字を呼び捨てで言う人もいる。

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