めざせ観光復活、浅草・スカイツリー「歩道」誕生 隅田川橋梁に歩道併設、高架下に商業施設も

東洋経済オンライン / 2020年6月26日 7時55分

東武鉄道の隅田川橋梁に歩行者通路を併設。観光客に浅草とスカイツリー方面を回遊してもらう狙いだ(記者撮影)

都道府県をまたぐ移動自粛要請が解除された前日の6月18日、東武鉄道は浅草・東京スカイツリー両エリアを結ぶ新観光スポットをオープンした。浅草駅からとうきょうスカイツリー駅までの隅田川を渡る鉄道の橋梁と高架下を活用。同社が都心で抱える2大観光地を徒歩で移動してもらうことで周辺エリアの活性化につなげる狙いだ。

■最短距離で歩けるように

今回開業したのは隅田川橋梁に取り付けた歩行者通路「すみだリバーウォーク」と鉄道高架下のスペースを利用した複合商業施設「東京ミズマチ」。国内外から多くの観光客が訪れる浅草の中心、浅草寺からは東京のランドマークであるスカイツリーがよく見える。だが、これまでスカイツリーを目指して歩いて散策する場合は隅田川にかかる吾妻橋(あづまばし)や言問橋(ことといばし)を渡るため、少し遠回りをする必要があった。

東武は今回、浅草―とうきょうスカイツリーの1駅分の区間で既存の鉄道施設を活用し、最短距離である線路沿いをあえて歩いてもらう動線を整備。隅田川で隔たれた両エリアの回遊性を高め、にぎわいを周辺に波及させることで東京を代表する観光地としての地位をさらに高めたい考えだ。2020年度までの同社グループの中期経営計画でも重点投資するエリアの1つに挙げていた。

すみだリバーウォークは、隅田川橋梁の南側に“添架”した長さ約160m、幅2.5mの歩行者用通路。途中の床には真下の水面をのぞけるガラス窓も設けた。開門時間は7時から22時で、通行は無料。自転車は手押しであれば通ることができる。観光客だけでなく地元の住民にも川を渡るのに便利なルートとなりそうだ。鉄橋は日没から終電までスカイツリーと同様のライトアップを実施している。

一方、東京ミズマチは東京スカイツリーの足元を東西に流れ、隅田川と旧中川をつなぐ運河、北十間川に沿った鉄道高架下のスペースを活用した。名称は東京スカイツリータウンの商業施設「東京ソラマチ」と対になっており、一体で盛り上げる計画だ。隅田川橋梁やミズマチのある高架の既存部分は「スカイツリーホワイト」を基調とした色に塗り直し、スカイツリーとの統一感にこだわった。

今回、装いを新たにした隅田川橋梁の歴史は昭和初期にさかのぼる。

1931(昭和6)年、当初上野駅までの都心延伸を計画していた東武が浅草に乗り入れる際に架けられた。それまでは隅田川の東、現在のとうきょうスカイツリー駅が「浅草駅」だった。同駅は伊勢崎線の浅草雷門駅(現・浅草駅)までの開通に伴って改称、東京スカイツリー開業直前の2012年3月まで「業平橋」の駅名で親しまれた。今回開業した東京ミズマチのウエストゾーンのあたりには戦前に「隅田公園駅」が設けられていた。

■景観と調和した鉄道橋

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