和歌山の「オンライン宿泊」がウケている理由 1泊1000円「予約がとれない宿」になっている

東洋経済オンライン / 2020年7月11日 7時10分

オンライン宿泊のメインイベントである、宿泊者同士の交流も、簡単に言えばオンライン飲み会だ。しかしサービスの特色は、オンラインならではの、さまざまなアプリを駆使した説明や司会進行、イベントなどにある。

まず画面にグーグルマップを表示し、ホテルがある場所をポイント。周辺の写真を提示しながら、熊野周辺の観光案内が行われる。またそれぞれの参加者が今いる場所もポイントされ、参加者が自ら、住む地域の観光案内をほかのメンバーに対して行う時間も設けられている。

参加者の交流タイムにおいても、「オンライン飲み会」で起こりがちな、会話のテンポが悪い、間が持たない、特定の1人だけがしゃべる、といった事態が起こらないよう工夫されている。

■本来はコミュニケーションが難しいが…

オーナーの指示に従い、参加者はあらかじめ、自分のプロフィールをテキスト化したものと、交流ツールとしての写真を1、2枚、選んでおく。画面上に表示し、一人ひとりの「人となり」を視覚情報として印象づけるためだ。

こうした視覚情報の多様さが、本サービスを特徴づける1番のポイントと言える。また年齢も背景もバラバラな初対面同士、しかも画面を通じてのため、本来はコミュニケーションが難しい。そこは、後呂氏の流れるような司会進行が橋渡しする。

参加者メンバーの性格もものを言う。オンライン会議などでもそうだが、メンバーが表情だけでなく「声」で反応することで、会話が盛り上がる。集まる人によって、場の雰囲気はずいぶん違ってきそうだ。

「オンライン宿泊の時間を2時間に制限し、人数も絞っています。『話し足りない』というぐらいがちょうどよい。あとは将来、リアルに訪問してもらったり、参加者同士がつながってもらえたらと」(後呂氏)

筆者が参加した当日は、マラソンが趣味の人、「オンライン○○」を片端から試している人、自身もゲストハウスのオーナーである人など、筆者のほか6人が参加。性別、年齢もバラバラであった。

この日はさらにスペシャルイベントとして、ドイツ・ハノーヴァー在住のヴァイオリニスト杉村香奈氏のオンライン・コンサートが行われた。イベント料金として、宿泊料に加え1人当たり1000円が必要となるが、これはやはりコロナの影響で仕事がなくなり、困っているというアーティスト本人に送られるそうだ。

「杉村さんは最初、お客様として来てくれたんです。このように、宿泊者には海外在住の日本人も多いんですよ。海外は日本と違って外出制限が非常に厳しいということも、理由として大きいと思います。また『日本語がしゃべりたいから』という理由もありました」(後呂氏)

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