ベンツ×BMWの提携がすぐに打ち切られた事情 新たにNVIDIAとの提携を発表した真意とは

東洋経済オンライン / 2020年7月17日 7時15分

メルセデス・ベンツとBMWは次世代自動運転技術の開発で提携するとしていたが……(写真:ダイムラー)

6月19日、ダイムラーとBMWから同時にリリースが出され、昨年7月に推進が発表されたばかりの次世代自動運転技術の開発におけるコラボレーションが、「一旦」というただし書きつきとはいえ、打ち切りになることが明らかにされた。「長期的な」という括りがついていたはずのコラボレーションだが、結局1年も経たないうち、何も成果を残さないうちに中止になったわけだ。

両ブランドともに、この合意解消は「友好的なもの」だと言い、実際に技術的コラボレーション自体は、他の分野において継続されるという。「今後、協力関係が再開される可能性もある」とまで言及されているのだが、目玉だった項目があっさり頓挫してしまったことは間違いない。

中止の理由として、BMWの技術開発担当役員であるクラウス・フレーリッヒ氏は「私たちが現在使っている最新世代のテクノロジーは、非常に強力なセンサーとコンピューティングパワーを備えた堅牢なモジュラーシステムとなっています。非常に強力で、また高い持続可能性を持つものです。これから長年にわたって、ユーザーのニーズを満たすよい立場にいると確信しています」と言う。

■インテルやモービルアイとも提携していたBMW

一方で、メルセデス・ベンツ カーズCOOにしてダイムラーグループリサーチの責任者であるマークス・シェーファー氏は「脱炭素化に向けて、デジタル化はメルセデス・ベンツの戦略の柱です。急速に変化する環境課題に備えるために、自動車部門以外のパートナーとの可能性も探っています」と言い、両社は引き続き、独自路線で開発を進めていくとした。

率直に言ってしまえば、こうなることがまったく見えていなかったわけではない。そもそも次世代の自動運転技術については、両社ともそれぞれさまざまなパートナーと開発を進めていた。特にBMWはインテル、モービルアイ、FCA、アンシスなどと広範な提携の下に取り組み、可能性を探っていたのだ。

それでもダイムラーとBMWがタッグを組むことにしたのは、結局のところ目指すゴール、つまり「自動運転技術の実用化」という目標が一緒だったから。それなら個別にやらず、リソースを共有したほうがいい。そう考えたのは十分に納得できる。

それがうまく運ばなかったのは、両社が今まで個別に進めてきた技術開発、さらにはビジネススキームを解きほぐすのが、想像していた以上に大変で、コストもかさむ作業になりそうだと明らかになったからだろう。実際、契約が締結される前の段階で専門家との詳細な協議や、技術ロードマップについてのサプライヤーとの討議を行うことができなかったのだという。

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