中国人の英語習得は日本人と一体何が違うのか 小学生が自習する教材は日本の中学卒業レベル

東洋経済オンライン / 2020年7月21日 10時0分

北京の小学校5年生が使用している英語副読本(筆者撮影)

小学校5年生からの英語教育義務化が日本で始まった。一方、実は中国の小学校で英語が義務化されたのは19年前。TOEFLの平均スコアを見ても日本は中国にリードを許したまま。なぜ日本の英語教育は出遅れ、中国は進んだのか。そしてその結果は?

「英語先進国」中国のこれまでと現在を全5回でレポート。第3回は「英語先進国」中国が、小学校で子どもたちに英語をどう教えているのかレポートする。

■親は将来設計のために子に英語を学ばせる

今年1月、筆者は北京郊外の少年サッカークラブにいた。北京は青空が広がっていたが、気温はマイナスで、グラウンドには数日前に降った雪が残っていた。

早稲田大学院で中国の小学校の英語教育を研究していた筆者は、北京の子育て世代の「英語熱」を調査しようと、子どもの練習を見守る母親たちに「子どもにどんな英語教育を行っているか」をヒアリングした。

「夫と私はいつも子どもに言っています。『サッカーのプロ選手になって海外で活躍したいなら、英語はしっかり勉強しなければいけない』と」

この母親の7歳の子どもは、5歳から幼稚園で英語を学び始めていた。またこの家庭では、子どもが小学校に入学するのと同時に、英語の学習塾に通わせている。

「サッカーは集団の規律を学ばせるために始めましたが、英語は将来設計のためです。サッカーをフックにして、子どもに英語の大切さを説き続けています(笑)」

また、同じ7歳の男の子をもつ母親はこう語った。

「子どもはサッカーのプロ選手になることを夢見ていますが、それならまず英語をしっかり勉強することだと言っています。子どもには5歳から英語の学習塾に通わせています。英語は世界語ですし、将来はアメリカかイギリスに留学させようと思っていますので」

「サッカーをするにもまずは英語」という親たち。中国では大学生の約3割が、小学校入学前に英語を学び始めているというのもうなずける(筆者調べ)。

練習が終わった子どもたちに筆者は、「将来外国のリーグでプロとして活躍したい?」と聞いてみた。

すると8歳の子どもは、「海外リーグでプロになりたい。そのために英語とサッカーのスキルを磨いています」と答え、9歳の子どもは「英語とサッカーの両方を頑張っています」と胸を張った。親の英語熱はどうやら子どもにしっかり伝わっているようだ。

ちなみに中国の義務教育は9年制で、小学校が6年制、初級中学(日本の中学校にあたる)が3年制と、日本と同じだ。しかし学期は2学期制で、1学期は9月から1月の中旬まで、2学期は2月中旬から7月中旬までとなっている。日本で先日、国を挙げての大論争になった「9月入学」制度は、中国はすでに「導入済み」なのだ。

■小学校英語教育義務化当初の状況とは?

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